2024年8月23日
【考察】
22日の米国株式市場は値下がりしました。ニューヨークダウ工業株30種平均は、前日比177.71ドル安の40,712.78ドル、ナスダック総合指数は299.633ポイント安の17,619.354ポイントで取引を終えました。ニューヨーク市場の出来高は概算で7億3,653万株、ナスダック市場では46億7,146万株でした。8月の米国総合PMI(購買担当者景気指数)は54.1となり、市場予想の53.2を上回りました。経済が順調であることが確認されたため、大幅な利下げに対する期待が弱まりました。さらに、23日にはパウエルFRB議長がジャクソンホール会議で講演する予定があり、その内容を見極めたいという姿勢が強まりました。ハイテク株が多いナスダック市場では、インテルやテスラ、アプライド・マテリアルズなどの企業の株価が下落しました。
【その他の考慮点】
23日の東京株式市場は、反落後に軟調な動きになる可能性があります。22日の米国株式市場が下落した影響で、売りが先行して市場が始まると考えられます。また、週末に向けて弱含む展開が予想されます。一方で、為替市場ではドル・円が1ドル=146円台の前半、ユーロ・円が1ユーロ=162円台の半ばと円安が進んでいます。このため、輸出関連銘柄が買われ、相場を下支えする場面も見込まれます。
【全体的な見通し】
米国経済の堅調さが確認されたことで、利下げ期待は後退しましたが、今後のFRB議長の講演内容や経済指標に注目が集まります。東京市場でも、米国市場の影響を受けつつ、為替相場の動きが相場の支えになる可能性があります。短期的には軟調な展開が予想されますが、輸出関連銘柄に買いが集まるかどうかが、全体的な相場の行方に影響を与えるでしょう。
【用語解説:初心者向け】
- 米国株式市場: アメリカの株式市場で、企業の株が売買される場所。代表的な市場にはニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック(NASDAQ)があります。
- ニューヨークダウ工業株30種平均(NYダウ): アメリカの代表的な株価指数で、主要な30社の株価の平均を示します。
- ナスダック総合指数: テクノロジー関連企業が多く上場しているナスダック市場の株価指数です。
- 総合PMI(購買担当者景気指数): 経済の活動状況を示す指標で、製造業とサービス業の企業の購買担当者に対する調査結果から算出されます。
- FRB(米連邦準備制度理事会): アメリカの中央銀行で、金融政策を担当しています。
- ジャクソンホール会議: 毎年アメリカ・ワイオミング州のジャクソンホールで開催される、世界の中央銀行関係者や学者が集まる会議です。
- 円安: 日本円の価値が他の通貨に対して下がることを指します。