米国株式市場の動向について

2024年6月29日

米国株式市場の動向について

【考察】 米国の株式市場は下落しました。ダウジョーンズ工業平均は45.20ドル安の39,118.86で、ナスダック指数は126.08ポイント安の17,732.60で取引を終了しました。

取引開始時の動きは一部混在していました。5月のPCE価格指数(コア)が鈍化したことを受けて、インフレ再加速への懸念が後退し、FRBによる利下げの見通しが強まり、市場を支えました。しかし、ダウはスポーツ用品メーカーのナイキの決算が市場予想を下回ったことで下落しました。6月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことで上昇しました。ナスダックは一時的に過去最高値を更新しましたが、最新の経済指標を消化した後は下落し、主要な株式指数は小幅に下落して取引を終えました。

【その他の考慮点】 セクター別では、銀行や運輸などが上昇しました。一方で、耐久消費財やアパレルの下落が目立ちました。

【全体的な見通し】 スポーツ用品メーカーのナイキは、市場予想を下回る四半期決算と25年通期の減収見通しを発表し、株価が大幅に下落しました。くら寿司USAは売上高見通しが市場予想を下回ったことで売られました。光通信機器メーカーのインフィネラは、フィンランドのノキアによる買収が合意されたと発表し、株価が急伸しました。シティグループやJPモルガン・チェースなどの銀行株は上昇しました。ストレステストを通過したことで、株主還元策への期待が高まり、買われました。

【用語解説:初心者向け】

  • ダウジョーンズ工業平均:アメリカの代表的な株価指数の一つで、30種類の代表的な株式の平均株価を示します。
  • ナスダック指数:アメリカの電子証券取引所であるNASDAQで取引される株式の中から選ばれた銘柄の株価をもとに算出される株価指数です。
  • PCE価格指数:個人消費支出(PCE)の価格指数で、アメリカのインフレを測るための指標の一つです。
  • ミシガン大学消費者信頼感指数:ミシガン大学が毎月発表する消費者の経済に対する信頼感を示す指数です。
  • ストレステスト:金融機関が経済環境が悪化した場合でも資本を維持できるかを試すテストです。
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