米国株式市場と日経平均先物の考察と見通し(2024年6月2日)
【考察】
5月31日の米国株式市場は、ダウ平均は前日比1.51%高、S&P500は0.80%高と主要な指数が上昇しました。一方、ナスダックは小幅な下落となりました。
日経225先物は、通常取引終値より240円高で取引を終えました。
【その他の考慮点】
金利上昇の影響:金利上昇は、地銀株や保険株の動きを好調にさせる一方で、投資家心理を悪化させ、東京市場全体での買い控え要因となっています。
日銀金融政策決定会合:6月13-14日に開催される日銀金融政策決定会合では、国債買入の段階的な減額や追加の利上げ時期などに対する声明、発言の有無が注目されています。
FOMC会合:日銀会合の直前である11-12日には米連邦公開市場委員会(FOMC)も開催されるため、6月中旬の日米中銀会合を通過するまで方向感の乏しい地合いが継続する可能性もあろう。
売買代金:5月のプライム市場の平均売買代金は4.55兆円と、2-3月と比較すると減少傾向にあります。
日経平均とTOPIXの比較:日経平均は25日移動平均線と75日移動平均線の両方を下回っていますが、TOPIXは25日移動平均線より上で推移しています。
NT倍率:金利上昇を受けて時価総額が大きい銀行株や保険株が上昇している一方、東京エレクトロンやアドバンテストといった値がさ半導体株がさえないことから、NT倍率は13.88倍と今年最も低い水準となっています。
【全体的な見通し】
日経平均は、金利上昇の影響や投資家心理の悪化により、方向感の乏しい地合いが続きそうです。一方、TOPIXは25日移動平均線より上で推移しており、日経平均よりも強いチャート形状となっています。6月中旬の日米中銀会合の結果が市場の動向に大きな影響を与える可能性があるため、注意深く見極める必要があります。
【用語解説:初心者向け】
日経平均株価: 東京証券取引所の代表的な株価指数で、東証1部上場銘柄のうち時価総額上位225銘柄の株価を平均したものです。
TOPIX: 東京証券取引所の株価指数で、東証1部上場銘柄すべてを対象としています。
日足チャート: 1日の株価の動きを日ごとにグラフ化したものです。
25日移動平均線: 過去25日間の株価の平均値を日ごとに線で結んだものです。
75日移動平均線: 過去75日間の株価の平均値を日ごとに線で結んだものです。
NT倍率: 時価総額を純利益で割った倍率で、企業の収益力を示す指標の一つです。
FOMC: 米国中央銀行の連邦公開市場委員会の略称で、金融政策を決める重要な機関です。