来週の東京株式市場【環境認識】

日付:2024年2月17日

日経平均株価の展望

来週(2月19日〜22日)の日経平均株価は、今週と同様に、投資家の買い意欲が強く、市場は活発な動きを見せるでしょう。史上最高値の3万8915.87円に近づく中で、さらなる上昇への期待感が高まる可能性があります。

2月16日の大幅な上昇により、市場が過熱しているとの警戒感がある一方で、投資家の買い意欲は依然として強く、短期的な調整があればそれを買い増しの機会と捉える動きが見られるでしょう。

ただし、来週は米国で重要な経済指標の発表が予定されており、その結果次第では市場の動向が変わる可能性もあります。具体的には、2月21日には米・連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨、22日には2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表されます。これらの結果により、米・連邦準備理事会(FRB)が早期に利下げを行うとの観測が後退する可能性があります。その場合、株価はさらに力強く上昇し、買い増しのタイミングを見極めるのが難しくなるかもしれません。

その他の考慮点

来週は、週初めが米国市場の休日、週末が東京市場の休日となっており、取引が難しいスケジュールとなっています。しかし、日経平均が史上最高値を更新し、39000円台を試す展開が期待されています。史上最高値は市場関係者の多くが注目している水準であり、達成感が意識される可能性もあります。しかし、上場企業の2024年3月期の純利益が3期連続で過去最高を更新する見通しであることから、好業績を背景に幅広い銘柄に対する買いが入る可能性があります。

全体的な見通し

一方、NT倍率は16日終値ベースで14.66倍と、2021年7月以来の水準まで拡大しています。半導体関連の東京エレクトロンやアドバンテスト、半導体大手である英アーム社を保有しているソフトバンクGなど、一部の高値銘柄が買われていることで、1月以降、日経平均が優位な地合いを保っています。日経平均が史上最高値をつけた1989年12月末の東証一部全銘柄のPERが60倍台だったのに対して、2月15日時点の東証プライム全銘柄のPERは16倍台に留まっていることから、現在の株高は「バブル」ではないと言えます。しかし、高値の半導体関連銘柄への一極集中買いで上昇している日経平均は、一定の脆弱性があると言えるでしょう。なお、21日には米エヌビディアの決算発表が控えており、注目されています。

用語解説:初心者向け

  • 日経平均株価:東京証券取引所に上場している225社の株価を平均したもの。日本の株式市場の動向を示す代表的な指標です。
  • FOMC(連邦公開市場委員会):米国の金融政策を決定する機関。利上げや利下げの決定を行います。
  • PMI(購買担当者景気指数):製造業の景気を示す指標。50以上で景気拡大、50未満で景気縮小を示します。
  • FRB(連邦準備理事会):米国の中央銀行。金融政策を決定します。
  • NT倍率:株価と企業の純利益(1株当たり利益)との比率。株価が割高か割安かを判断する指標の一つです。
  • PER(株価収益率):株価と企業の利益(1株当たり利益)との比率。株価が割高か割安かを判断する指標の一つです。

場中解説は、以下のYouTubeチャンネルで配信しています。 https://www.youtube.com/channel/UCaf5-S-kVmyqzKctnYqIC_Q

注釈

「早期に利下げを行うとの観測が後退する」という文脈では、経済の健康状態についての信号として解釈されます。

具体的には、FRBが利下げを行うという観測が後退するということは、経済が予想以上に強いとFRBが判断している可能性を示しています。これは、企業の収益性が良好であることを示し、その結果、投資家の信頼感を高め、株価をさらに上昇させる可能性があります。

また、金利が上昇すると、債券の利回りが上がり、投資家が株式から債券に資金を移す可能性があります。しかし、この場合、経済の強さが株価上昇のドライバーとなり、金利上昇の影響を上回る可能性があります。

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