米国の株式市場は、先週の下落分を一部取り戻して反発しました。来週の最新の米国の消費者物価指数(CPI)の発表に向けて、投資家たちはポジションを積み増す動きを見せました。
今年に入ってから、米国の株式市場は人工知能(AI)に対する楽観的な見方や米国経済の軟着陸期待から上昇し、S&P 500指数は年初から17.7%上昇しています。
ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのジャック・ジャナシウィッチ氏は、この上昇を見逃した投資家が資金を投入したいと考えているでしょう。その結果、利食い売りが出ても下値は限定的にとどまると述べました。
先週発表された雇用統計を受けて、利上げ長期化の懸念が再燃しています。このため、来週のCPI発表は米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の方向性を探る手掛かりとなるでしょう。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、NYタイムズ紙とのインタビューで金利の低下が来年始まる可能性があると述べました。
FRBのボウマン理事は、インフレ率をFRBの目標である2%に引き下げるためには、追加の利上げが必要と述べました。
ダウ工業株30種は、6月15日以来の大幅上昇となりました。
電気自動車(EV)大手のテスラは、軟調な動きで0.9%下落しましたが、ナスダック総合指数は4営業日の下落を打ち消しました。テスラは最高財務責任者(CFO)の人事変更を発表しました。
S&P 500指数も下落を4日で止めました。主要セクターの多くが上昇し、通信サービスが1.9%、金融が1.4%と上昇を牽引しました。
米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社、バークシャー・ハザウェイは3.4%上昇し、過去最高値を記録しました。最新の四半期決算では、営業利益が過去最高の100億ドルを超えました。
一方、食品大手のタイソン・フーズは3.8%下落し、市場予想を下回る四半期売上高を発表しました。
米国の取引所の合算出来高は99億2000万株で、直近20営業日の平均は108億6000万株でした。
取引の結果、ダウ平均は407.51ドル上昇して35,473.13ドルで、ナスダックは85.16ポイント上昇して13,994.40で終了しました。
また、NYタイムズ紙によると、NY連銀のウィリアムズ総裁はインタビューで、インフレの動向次第では来年の利下げが正当化される可能性に言及し、これが市場の上昇に寄与しました。先週の7月雇用統計で雇用者数の伸びが予想を下回ったことも、利上げ終了期待を後押ししました。金利先高観が後退したことで、ハイテク株が買い戻され、終盤にかけて上昇幅が広がりました。消費者サービス・メディア・娯楽セクターが上昇し、一方でテクノロジー・ハード・機器セクターは下落しました。
ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは好決算を受けて上昇しました。航空会社のユナイテッド(UAL)はアナリストの投資判断引き上げで上昇し、オンライン決算のペイパル(PYPL)は米ドル連動のステーブルコイン「ペイパルUSD」導入の発表を好意的に受けました。
一方、食品のキャンベル・スープ(CPB)はソボス・ブランズ(SOVO)を27億ドルで買収する発表を受けて下落し、肉食品メーカーのタイソンフーズ(TSN)は四半期決算が市場予想を下回り下落しました。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は最高財務責任者(CFO)の辞任による不安から売られました。また、代替肉メーカーのビヨンドミート(BYND)は決算が失望されて時間外取引で売られました。教育サービス会社のチェグ(CHGG)は、教育に特化した人工知能(AI)モデルの開発に成功し、上昇しました。
外国為替市場では、ドル・円は141円80銭から142円58銭まで上昇し、ユーロ・ドルは1.0980ドルから1.1012ドルまで上昇しました。ポンド・ドルも上昇し、ドル・スイスは下落しました。
原油市場では、NY原油先物9月限は反落し、81.94ドルで取引を終了しました。アジア市場では一時83.30ドルまで上昇しましたが、米国市場ではドル安の一服や米長期金利の反発を受けて下落しました。
今夜のイベント
・21時15分:米)ハーカー:フィラデルフィア連銀総裁の発言(投票権あり)
・21時30分:米)貿易収支
・26時00分:米)3年債入札
4時間足チャート
日足の値幅抵抗帯にタッチして反発。
これからの動きとしては、(A)あるいは(B)のパターンが予想されます。
合っているパターンを見つけてトレードをしましょう。