米国株式市場見通し

来週の米国株は、20日のトランプ大統領就任を控え、規制緩和や景気支援策への期待と関税引き上げに対する警戒が交錯する展開が予想される。昨年11月の大統領選挙後から現在までのNYダウの上昇率は約3%にとどまり、第一次トランプ政権時の同期間に記録した約8%と比較すると控えめな動きとなっている。エヌビディアやユナイテッド・ヘルス・グループの株価下落が指数に影響したとの見方もあるが、トランプ次期政権が就任直後から関税引き上げを本格化させるとの懸念が依然として根強い。

一方、1月の強い雇用統計を受けて利下げ観測は一時後退したものの、消費者物価指数(CPI)や小売売上高が程よい結果となったことで、再び利下げ期待が高まっている。金利上昇が一服した影響でハイテク株は安定を取り戻しつつあり、VIX指数も20近辺から15台へと低下し、投資家心理は改善している。NYダウは75日移動平均線を突破し、ナスダックも同様に75日移動平均線を回復した後、25日移動平均線も上回るなど、堅調な動きを見せている。主要株価指数が調整局面を脱しつつある中、トランプ大統領就任後も期待感が先行する展開が続くか注目される。

経済指標としては、20日の大統領就任式のほか、23日に週次新規失業保険申請件数や週次原油在庫、24日に1月の製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMI、ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、および12月の中古住宅販売件数の発表が予定されている。

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