2023年10月29日(月)~11月3日(金)のNY市場の考察
考察
来週のNY市場は、引き続き、中東情勢と米国の金利動向やインフレ懸念、企業決算の動向に左右されることになりそうです。
その他の考慮点
米連邦公開市場委員会(FOMC)
日本時間2日未明に結果が判明するFOMCについては、現在の政策金利(5.25-5.50%)を2会合連続で据え置くとの見方が大勢を占めています。今回「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」の公表はなく、パウエルFRB議長の記者会見内容に関心が集中することになるでしょう。過度なタカ派発言が無ければ、無風通過となり短期的なアク抜け感が広がる期待があります。
日銀金融政策決定会合
日銀金融決定会合についても、イールドカーブ・コントロール修正に関し長期金利の変動幅引き上げの可能性を指摘する声もくすぶりますが、現状維持というのが大方の予測です。
米10月雇用統計
週末3日の米10月雇用統計については、非農業部門雇用者数が前回から伸びは鈍化する見通しです。失業率は前回並みの予想で、平均時給は前回と同程度の上昇が見通されており、波乱は回避される公算が現状では高いです。
全体的な見通し
全体的には、短期的な日経平均のボラティリティが高まる可能性はありますが、年末高ラリーへの土壌が整うかがポイントとなる週といえそうです。
その他
物色面
佳境に入ってくる決算発表が最大の注目点となります。今週の米国市場では、ベライゾン、スリーエム、コカ・コーラ、マイクロソフト、アマゾンの決算が好感された反面、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、シェブロンの決算が失望されるなどまちまちの展開となりました。
来週は30日にオリエンタルランド<4661>、パナソニックHD<6752>、31日にソシオネクスト<6526>、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>、ファナック<6954>、村田製作所<6981>、11月1日にトヨタ<7203>、2日に川崎汽船<9107>が決算発表を予定しています。半導体関連の決算が集中する31日が一つのヤマ場ともなりそうです。そして、1日の国内時価総額トップのトヨタの決算も焦点となります。10月に生じた国内工場停止による影響や今後の生産動向、為替の前提条件などが注目されるでしょう。
用語解説
FOMC:米連邦公開市場委員会
イールドカーブ・コントロール:日銀が導入している金融政策。短期金利をゼロに固定し、長期金利は市場に任せることで、デフレを抑制する政策。
ドットチャート:FOMCが公表する、今後の政策金利の見通しを示す図。
中東情勢:サウジアラビアとイエメンの間で続く軍事衝突。
インフレ懸念:米国や欧州でインフレ率が急上昇していることへの懸念。
企業決算:企業が決算期に発表する財務状況や経営成績の報告書。
補足
来週のNY市場は、利上げやインフレ懸念などの不確定要素が残る中で、波乱含みの展開が予想されます。ただし、決算発表が控えていることもあり、投資家の関心は企業業績の動向に移りつつあると言えるでしょう。