2024年11月27日
米国株式市場の動向と日本株式市場への影響
【考察】
26日の米国株式市場は上昇基調を維持しました。ニューヨーク・ダウ平均株価は5日連続で上昇し、123.74ドル高の44,860.31ドルで取引を終えました。また、ナスダック総合指数も4日続伸し、119.46ポイント高の19,174.30ポイントでした。この背景には、11月の米連邦公開市場委員会（FOMC）議事要旨で示された柔軟な金融政策の姿勢が挙げられます。これにより、政策への過度な懸念が後退し、投資家心理が改善しました。
一方で、トランプ次期大統領による関税強化の方針が影響し、一時的にニューヨーク・ダウが反落する場面も見られました。しかし、アマゾンやマイクロソフトなどのハイテク株が買われ、相場を支えました。
【その他の考慮点】
東京株式市場では、円高の影響が懸念されています。現地26日時点で、ドル・円相場は1ドル＝153円台前半、ユーロ・円相場は1ユーロ＝160円台半ばまで円高方向に進んでいます。このため、輸出関連株が売り圧力を受ける可能性が高く、日経平均株価は売り先行でのスタートが予想されています。
市場関係者からは、為替がさらに円高に進めば、日経平均が38,000円の節目を割り込む可能性も指摘されています。一方、輸出関連株が弱含む中、内需株は比較的買われやすい傾向があるとの見方もあります。
【全体的な見通し】
米国市場の続伸が東京市場にとって支えとなる一方、為替の動きやトランプ政権の政策への懸念が市場全体の不透明感を増しています。輸出関連株や半導体関連株に対する売り圧力が想定される一方で、内需株や外部要因の影響を受けにくいセクターには資金が向かう可能性があります。また、今後の市場動向は、ドル・円相場の動きや米国の経済指標（7-9月期GDP改定値や個人消費支出）に大きく左右されると見られています。
【用語解説：初心者向け】
– 米連邦公開市場委員会（FOMC）：アメリカの金融政策を決定する機関で、利上げや利下げなどの方針を話し合う場。
– ニューヨーク・ダウ平均株価（NYダウ）：米国株式市場の主要企業30社の株価平均を示す指数。
– ナスダック総合指数：ハイテク企業や成長株が多く含まれる米国の株式市場指数。
– 内需株：国内市場での需要に依存する企業の株式。例えば、小売業や建設業など。
– 為替（ドル・円相場）：外国為替市場での米ドルと日本円の交換レート。輸出入企業に大きな影響を与える。
– 節目：株価の重要な値段の目安。ここを割り込むと心理的に影響を受けやすいポイント。
