2024年10月11日
【考察】
10日の米国株式市場では、3日ぶりに株価が下落しました。ニューヨークダウ平均株価は前日比57.88ドル安の42,454.12ドル、ナスダック総合指数は9.568ポイント安の18,282.049ポイントで取引を終えました。出来高はニューヨーク市場が約7億9526万株、ナスダック市場が約53億7032万株でした。米国の9月の消費者物価指数(CPI)は、特に注目されるコア指数が前年同月比で3.3%上昇し、市場予想の3.2%を上回ったため、インフレ懸念が再燃し、株価が軟調に推移しました。また、米国の10年物国債の利回りが一時的に4.1%台に上昇し、これに伴って株式の割高感が意識される場面も見られました。ニューヨークダウに採用されている銘柄では、ボーイング、ホーム・デポ、3Mなどが値下がり率の上位にランクインしています。
【その他の考慮点】
11日の東京株式市場では、上値が重い展開が予想されます。10日に米国株が下落したことや、11日が日本の祝日(スポーツの日)を含む3連休の初日であることから、多くの投資家が様子見の姿勢を強めることが考えられます。また、10月限の株価指数先物やオプションの特別清算指数(SQ)値の算出日でもあるため、市場推定値が意識される可能性があります。加えて、為替相場ではドル円が148円台半ば、ユーロ円が162円台半ばと円高に動いているため、これも日本株式市場に影響を与える要因となり得ます。
【全体的な見通し】
インフレ懸念や米国国債利回りの上昇は、世界の投資家にとってリスク要因となっており、これらがしばらく株式市場に影響を与え続ける可能性があります。特に、インフレが予想よりも加速している場合、米国連邦準備制度(FRB)がさらなる金融引き締めに動く可能性があり、それが株価に対するさらなる圧力になることが考えられます。また、日本市場においては、為替や米国株の動向に加え、3連休を控えて取引が薄くなることが、短期的な相場の動向を左右する重要なポイントとなるでしょう。
【用語解説:初心者向け】
- ニューヨークダウ(NYダウ): アメリカの代表的な株価指数で、30の主要な上場企業の株価を元に算出されます。
- ナスダック総合指数: テクノロジー関連企業を中心とした株式市場の指数です。
- 消費者物価指数(CPI): 一般消費者が購入する商品の価格変動を示す指標で、インフレ率を測定するために使われます。
- コア指数: CPIの中から、食品やエネルギーのような価格変動が大きい項目を除いたものです。インフレの基調を見るために使われます。
- 特別清算指数(SQ): 先物やオプションの取引において、満期時に清算価格を決定するために算出される指数です。
- 利回り: 債券などの投資によって得られる利益の割合です。債券価格と逆の動きをします。