2024年11月15日
米国と日本の株式市場の動向
【考察】
14日の米国株式市場では、ニューヨークダウ平均株価が前日比で207.33ドル安の43,750.86ドルと下落し、ナスダック総合指数も123.07ポイント安の19,107.65ポイントで取引を終了しました。この結果、ナスダック指数は3日連続の下落です。取引量としては、ニューヨーク市場でおおよそ9億4,652万株、ナスダック市場で約73億6,942万株の取引がありました。また、この日にパウエルFRB議長は経済が堅調であることを背景に「利下げを急ぐ必要はない」との見解を示しました。これにより、早期の利下げ期待が後退し、ニューヨークダウは一時250ドル以上の下げ幅を記録しました。特にダウ構成銘柄の中で、セールスフォースやシスコ・システムズ、ユナイテッドヘルスなどの値下がりが顕著でした。
【その他の考慮点】
15日の東京株式市場は、米国市場の影響や最近の3日間の続落を受け、反発して堅調な展開が予想されています。前日の14日までに日経平均株価は3日間で合計1,000円近く下落しているため、この反動からリバウンドを狙った買いが主導する見込みです。また、為替相場ではドル・円が1ドル=156円台前半(前日は155円83〜85銭)、ユーロ・円が1ユーロ=164円台半ば(前日は164円41〜45銭)と、円安傾向が続いています。この円安の進行を背景に、日銀が追加の利上げを行う可能性も市場で注目されており、その影響で一時的な買いの後は上値が重くなる場面も想定されています。
【全体的な見通し】
米国市場では、パウエル議長の発言により早期利下げへの期待が薄れたことが、株価下落に影響を及ぼしました。日本市場では米国市場の動向に左右されつつも、急激な円安進行による日本銀行の追加利上げの可能性があるため、不安定な値動きが予測されます。しばらくは為替や金利の動向が重要なポイントとなりそうです。
【用語解説:初心者向け】
- ニューヨークダウ(NYダウ):米国の代表的な株価指数で、主に大企業30社の株価を元に算出されています。
- ナスダック総合指数:ハイテク株を中心とした株価指数で、ナスダック市場に上場している企業全体の値動きを示します。
- FRB(連邦準備制度理事会):米国の中央銀行に相当し、金利政策や通貨供給を管理する機関です。
- 利下げ:金利を引き下げること。これにより企業の借入れが容易になり、経済が刺激されるとされています。
- 為替相場:異なる通貨間での交換比率。今回の場合、ドルやユーロと円のレートが取引されている値です。
- 円安:日本円の価値が他通貨に対して低くなること。