半導体株が軒並み下落

米株式市場、慎重な動きが続く

アメリカの株式市場では、楽観的なムードが和らぎつつあります。13日のS&P500種株価指数は前日比わずかに上昇し、0.02%のプラスとなりましたが、大統領選挙後の勢いは一服した印象です。トランプ前大統領の再選が期待され、投資家心理が上向いていた状況も、現在は若干の冷静さが戻ってきたようです。

テスラや半導体株の動向に注目

テスラ(TSLA)の株価も選挙直後の急騰から落ち着きを見せ、13日の終値は小幅な反発にとどまりました。一方で、エヌビディア(NVIDIA)やクアルコム(Qualcomm)など、AI関連として注目を集める半導体銘柄は軒並み軟調な動きとなっています。エヌビディアの株価は前日比1.36%の下落、また、クアルコムは5日続けて値を下げ、計7%以上の下落を記録しています。

TSMCの業績と半導体市場の懸念

半導体業界における見通しが慎重になる一因として、台湾積体電路製造(TSMC)が発表した10月の業績も影響しています。同社の収入は前年同月比で29.2%増加したものの、前月の成長率からは大幅に鈍化し、投資家からの期待感をやや弱める結果となりました。TSMCはエヌビディアを含む多くの主要企業に半導体を供給しているため、その業績が市場全体に波及する可能性があります。

対中政策の懸念とFRBの動向

また、トランプ前大統領が対中国政策において強硬姿勢を示す中、半導体企業にとっても影響が予想されています。特に、中国市場での売り上げが重要なエヌビディアや他の半導体企業は、今後の業績に不安を抱える可能性があります。

一方、12日に発表された消費者物価指数(CPI)が市場の予測通りの結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が高まりました。投資家の間では、12月の利下げが市場の安定材料として期待されています。

今後、特に半導体市場における大手企業の業績が注目されており、エヌビディアの決算結果次第では市場にさらなる影響が及ぶ可能性も考えられます。

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