2024年9月4日
【考察】
3日の米国株式市場では、ニューヨーク・ダウ工業株30種平均が前週末に比べて626.15ドル下がり、40,936.93ドルで取引を終えました。これは3日ぶりの大幅反落です。また、ナスダック総合指数も577.326ポイント下落して17,136.298ポイントとなり、急反落しました。取引量は、ニューヨーク市場で約9億9074万株、ナスダック市場で約53億7196万株でした。この日の下落幅は、今年2番目の大きさで、8月5日に次ぐものとなりました。
原因の一つとして、8月の米国ISM製造業景況指数が47.2となり、市場予想の47.5を下回ったことが挙げられます。また、6日に発表が予定されている米国雇用統計を前に、先行き不透明な経済状況への警戒感が強まっています。さらに、ニューヨーク・ダウが過去最高値に達していたこともあり、利益確定売りが増加したことが市場の動きを後押ししました。ハイテク株が多く含まれるナスダック市場では、エヌビディア、インテル、マイクロン・テクノロジーといった主要企業の株価が下落しました。
【その他の考慮点】
4日の東京株式市場は、続落した後も軟調な動きが続くと予想されています。3日の米国株式市場の急落を受けて、売り先行で取引が始まる可能性が高いです。特に、日経平均株価は38,000円を下回る可能性があり、市場は新たな安定点を探す展開が予想されます。
為替市場では、ドル円が145円台半ば、ユーロ円が160円台半ばで推移しており、円高傾向が続いています。このため、輸出関連銘柄にとっては逆風となるでしょう。また、前日の米市場で半導体関連株が大幅に下落したことを受けて、東京市場でも半導体株の売りが強まる可能性があります。
【全体的な見通し】
全体的に、東京株式市場は4日も軟調な動きが予想されます。特に、前日の米国市場での株価下落や、米国の景気懸念の高まりが影響を与えるでしょう。ただし、今週発表予定の米国雇用統計などの重要な経済指標の結果を待つ姿勢もあり、市場は慎重に取引が進められることが予想されます。
【用語解説：初心者向け】
- ニューヨーク・ダウ工業株30種平均：米国の代表的な株価指数の一つで、30の大企業の株価を基に算出されます。一般的に「ダウ」と呼ばれます。
- ナスダック総合指数：米国のナスダック市場に上場している全ての銘柄を対象とした株価指数で、特にハイテク企業が多く含まれています。
- ISM製造業景況指数：米国の製造業の景況感を示す指標で、50を下回ると景気が悪化しているとされています。
- フィラデルフィア半導体指数（SOX指数）：米国の半導体業界の株価動向を示す指数です。半導体関連企業の株価を基に計算されます。
