来週の東京株式市場【環境認識】

2024年6月16日

日経平均株価の動向

【考察】
今週の日経平均株価は上昇し、先週末より130.63円(0.34%)高い3万8814.56円で終わりました。これは、先週末に発表された米国の雇用統計の影響で、早期利下げの見通しが後退したことから、週明けに大きく上昇し3万9000円を回復したためです。しかし、米国での重要な経済指標の発表や日本の日銀の金融政策決定会合を控え、相場はその後停滞しました。

6月12日にはFOMC(連邦公開市場委員会)とCPI(消費者物価指数)の発表前に持ち高調整の動きが強まり、株価は3万8800円付近まで下落しました。6月13日にはこれらの発表を無難に通過し、CPIが予想を下回ったことから、日経平均株価は朝方に3万9250円まで上昇しましたが、その後の日銀会合の結果待ちで一時下落しました。

週末の6月14日には日銀の金融政策決定会合が終了したことから安心感が広がり、後場にかけて再び上昇し、一時は3万9000円を回復しました。

【その他の考慮点】
来週の日経平均株価は今週と同様に25日・75日の移動平均線の間での「レンジ相場」が続くと予想されます。週足チャートでは、4月半ばの急落以降、上値抵抗線として機能していた13週移動平均線に接近しており、日経平均先物はすでにこれを上回っています。これが明確に突破されると、3月につけた高値4万888円を意識した上昇トレンドが期待されます。

【全体的な見通し】
米国では半導体株の上昇が続いており、大型テック株ではアップルが高値を更新して時価総額トップに返り咲きました。国内でもソフトバンクグループが再び1万円を超え、ITバブル時の高値1万1000円が視野に入ってきました。ソフトバンクグループの強い値動きは、投資家の心理を明るくし、日経平均株価の上昇に寄与する可能性があります。

【用語解説:初心者向け】

  • 日経平均株価: 日本の株式市場を代表する株価指数で、東京証券取引所に上場している225銘柄の平均値を表します。
  • 米・雇用統計: アメリカの雇用状況を示す指標で、毎月第一金曜日に発表されます。
  • 利下げ: 中央銀行が金利を下げること。経済を刺激するために行われます。
  • FOMC(連邦公開市場委員会): アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が行う金融政策を決定する会議です。
  • CPI(消費者物価指数): 消費者が購入する商品の価格の平均的な変動を示す指標です。
  • 日銀の金融政策決定会合: 日本銀行が金融政策を決定するための会議です。
  • レンジ相場: 株価が一定の範囲内で上下する相場のことです。
  • 移動平均線: 一定期間の株価の平均値をつないだ線で、相場のトレンドを示します。
  • 日経平均先物: 日経平均株価を対象とした先物取引で、将来の株価の動きを予測するために使われます。
  • アク抜け: 市場に悪材料が出尽くしたことで、相場が上昇に転じることを指します。
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