今夜の米国市場【環境認識】

2023年12月18日

【株式市況】

米国では、15日のNYダウは7日続伸。ニューヨーク連銀製造業景気指数や米11月鉱工業生産が予想を下回りましたが、NY連銀ウィリアムズ総裁が利下げ議論は時期尚早とけん制したことで、米10年債利回りが上昇し、NYダウは小幅反落してスタート。その後、10年債利回りが低下し、落ち着いた動きとなる中、NYダウは上昇。アトランタ連銀ボスティック総裁が、市場が期待する来年3月の利下げ開始に否定的な見解を示したことで、株式市場は利益確定売りに押されましたが、NYダウは前日比56ドル高の3万7305ドルで終えました。

東京では、18日の日経平均は反落しました。下向きに転じた5日移動平均線を上回ることなく推移する一方、5日線上方では25日線が上向きをキープし、強弱それぞれのサインが混在する形となりました。ローソク足は寄り引けほぼ同値の小陰線からやや長めの下ヒゲを出して、下値での一定の押し目買い需要を窺わせました。東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)が92.27%と中立圏(90-110%)に収まっていることもあり、足元では売り買いの拮抗状態が続いているとみられます。

【考察】

米国では、ウィリアムズ総裁とボスティック総裁の利下げ観測の相違が、株式市場の方向性を揺さぶりました。ウィリアムズ総裁の利下げけん制は、市場の利下げ期待を後退させ、株式市場を支援しました。しかし、ボスティック総裁の利下げ否定的な見解は、市場の利下げ期待を再燃させ、株式市場を押し下げました。

東京では、5日移動平均線の下方乖離が拡大する中、日経平均は反落しました。しかし、25日移動平均線の上方抵抗線が機能し、下値での押し目買い需要が示されました。足元では、売り買いの拮抗状態が続いており、方向感の乏しい展開が続くと考えられます。

【その他の考慮点】

今後の株式市場の方向性を左右する要因としては、以下の点が挙げられます。

  • 米国の利下げ観測
  • 欧州の金融政策
  • 中国経済の成長
  • 原油価格

米国の利下げ観測は、株式市場の方向性を左右する最大の要因です。ウィリアムズ総裁の利下げけん制は、短期的には株式市場を支援すると考えられます。しかし、ボスティック総裁の利下げ否定的な見解は、市場の利下げ期待を再燃させ、株式市場を押し下げる可能性があります。

欧州の金融政策も、株式市場の方向性に影響を及ぼす可能性があります。欧州中央銀行(ECB)は、今年度中に利上げを開始するとの見方が強まっています。ECBの利上げは、ユーロ高につながり、輸出企業の業績を圧迫する可能性があります。

中国経済の成長も、株式市場の方向性に影響を及ぼす可能性があります。中国経済は、不動産市場の不振やエネルギー価格の高騰などにより、減速が懸念されています。中国経済の減速は、世界経済の成長を鈍化させ、株式市場の下落圧力となる可能性があります。

原油価格も、株式市場の方向性に影響を及ぼす可能性があります。原油価格の高騰は、インフレを加速させ、景気後退リスクを高める可能性があります。原油価格の高騰は、株式市場の下落圧力となる可能性があります。

【全体的な見通し】

米国の利下げ観測が、株式市場の方向性を左右すると考えられます。ウィリアムズ総裁の利下げけん制が継続すれば、株式市場は上昇基調を維持する可能性があります。しかし、ボスティック総裁の利下げ否定的な見解が影響力を強めれば、株式市場は下落基調に転じる可能性があります。

用語解説:初心者向け

  • 利下げ:中央銀行が政策金利を下げることです。政策金利が下がると、企業の融資コストが下がり、投資や設備投資が活発化すると考えられます。そのため、株式市場は利下げ期待が高まると上昇する傾向があります。
  • 利上げ:中央銀行が政策金利を上げることです。政策金利が上がると、企業の融資コストが上昇し、投資や設備投資が鈍化すると考えられます。そのため、株式市場は利上げ期待が高まると下落する傾向があります。
  • 騰落レシオ:ある期間における上昇銘柄数と下落銘柄数の比率です。騰落レシオが100%を超えると上昇銘柄数が下落銘柄数を上回り、株式市場が上昇傾向にあると判断されます。
  • 移動平均線:一定期間の株価の平均値を線で結んだものです。移動平均線は、株価のトレンド(上昇トレンドか下降トレンドか)を判断するのに役立ちます。
  • 乖離:ある指標の実際の値と、過去の平均値との差です。乖離が拡大すると、その指標の将来の値が大きく動く可能性があると考えられます。
  • 押し目買い:株価が下落したときに、下落した分だけ割安になったと考え、買い入れることです。
  • 抵抗線:株価が上昇したときに、上昇した分だけ割高になったと考え、買い手が減少し、売り手が優勢になる水準です。

なお、これらの用語は、株式投資の初心者向けに解説したものであり、専門的な用語解説ではありません。


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