11月28日の日本株市場の見通しについて
日本株は上値が重い展開になるかもしれません。
まず、前日の米国株市場では、主要3指数がそろって小幅下落しました。年末商戦が本格化する中、一服商状となりました。サイバーマンデーで強いオンライン売り上げを期待した買いに寄り付き後、上昇しましたが、10月新築住宅販売件数や11月ダラス連銀製造業活動指数が予想を下回り景気への懸念が再燃し、ダウは下落に転じました。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了を織り込み長期金利が再び低下したためハイテクは一時買われましたが終盤にかけ失速し、高値付近からの利益確定売りにおされ主要株式指数は下落で終了しました。セクター別では小売りや不動産が上昇した一方、運輸が下落しました。
今日の日本株市場では、上値追いに慎重な値動きが想定されています。為替の円高が輸出関連株の重しになりやすいほか、FRB高官の発言を控えて今晩の米株安への警戒感もくすぶり売りが出るのではないか、との見方が出ています。
米国の利上げ終了の見方は市場でコンセンサスになってきていますが、「市場の楽観的な見方に対して、FRB高官から否定的な発言が出るかどうかが注目される」との声が聞かれました。仮に、FRB高官からタカ派的なコメントが出た場合は米株安となりやすく、今日の日本株市場は朝高後は様子見ムードになりやすいということです。
一方、「足元の日経平均はバブル後高値をなかなか抜けられず、上値を追うには新規材料不足だが、大きく下がる材料もない」との見方も出ています。日経平均は3万3000円台で値固めの動きが続くとみられ、一進一退になりやすいということです。
主なスケジュールでは、米国で11月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が公表予定となっていますほか、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の発言機会を控えています。
以上、今日の日本株市場の見通しについてでした。
場中解説は、以下のYouTubeチャンネルで配信しています。
https://www.youtube.com/channel/UCaf5-S-kVmyqzKctnYqIC_Q
テクニカル的には、(A)のトレンドラインを割ってきたなら、(B)の日足の値幅抵抗帯を目指します。
用語解説【初心者向け】
– 日経平均株価:日本の代表的な株価指数の一つで、東京証券取引所に上場している225社の株価の平均値を示す。日本経済の動向を見る指標としてよく使われる。
– 為替:外国通貨と日本円の交換比率のこと。円高とは、日本円が外国通貨に対して価値が高くなることで、円安とはその逆のこと。円高になると、日本の輸出企業の収益が減少しやすく、株価にも悪影響を与える。
– 輸出関連株:海外に商品やサービスを売る企業の株のこと。為替の変動に影響を受けやすい。
– FRB:アメリカの中央銀行のこと。金融政策を決定し、利上げや利下げなどを行う。利上げは景気が過熱しているときにインフレを抑えるために行われ、利下げは景気が低迷しているときに需要を刺激するために行われる。利上げは米国株にとってはマイナス要因となりやすく、利下げはプラス要因となりやすい。
– タカ派:金融政策において、インフレを抑制するために利上げを主張する立場のこと。ハト派はその逆で、景気刺激のために利下げを主張する立場のこと。
– バブル後高値:日本のバブル経済が崩壊した1990年代初頭以降につけた最高値のこと。日経平均株価の場合は、1996年に3万8950円を記録した。