後場から売り物

「日経平均」は大幅に上昇しました。前場の取引が終了した時点で、株価は503.51円高の33262.74円となっています(出来高は約9億9754万株です)。

前の週末の28日には、アメリカの「ダウ平均」も176.57ドル上昇(+0.50%)して反発しました。個人消費支出(PCE)コア価格指数の成長が予想を下回り、インフレが鈍化していることが再確認されたため、株を買う動きが強まりました。また、消費も堅調で、経済がソフトランディング(柔らかい着陸)する期待も株価を支えました。低金利の影響でハイテク株の需要が再び高まり、ナスダックも大幅に上昇しました。さらに、主要な株価指数が揃って上昇したことで、7月31日の日経平均も前の週末と比べて369.60円高の33128.83円と反発して取引が始まりました。その後もじわじわと株価が上がっています。

個別の企業に関しては、レーザーテック、東エレクなどの半導体関連株が上昇しています。また、川崎船、商船三井などの海運株や、三菱商事、三井物産などの商社株も堅調に推移しています。自動車関連ではトヨタ自動車、ホンダなどが上昇しており、ソフトバンクグループ、ファーストリテール、ルネサス、日本製鉄、ソニーグループなども上昇しています。さらに、豊田通商が通期の業績予想を上方修正し、配当の増額を発表したことで急騰しています。ソシオネクストも第1四半期の営業利益が期待以上に伸びたことで急上昇しています。その他、北越工業、リオン、イントラストなども値上がり率上位に入っています。

一方、アドバンテ、キーエンス、ヤクルト、KDDIなどが下落しています。また、日本M&AセンターHDは第1四半期の売上減少と利益減少が予想外であり、ファナックも予想外の下方修正が影響して大幅に下落しています。その他、アンリツ、アグロカネショウ、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズなども値下がり率上位に含まれています。

セクター別では、輸送用機器、卸売業、精密機器が上昇率上位になっている一方で、鉱業、空運が下落率上位です。東証プライム市場では値上がり銘柄が全体の82%を占め、値下がり銘柄は16%です。

シカゴ日経225先物の清算値は、大阪と比べて325円高の33095円です。本日の日経平均はシカゴ先物に引っ張られて買いが先行しており、円安傾向の為替も追い風となっています。また、国内企業の決算発表が本格化しており、その結果によって株式市場が物色されています。

新興市場も好調に推移しており、マザーズ指数や東証グロース市場Core指数が上昇しています。米国のハイテク株が上昇したことで、個人投資家の心理が改善されている要因となっています。また、米国の物価指標で再びインフレの鈍化が確認され、長期金利の上昇が収束していることも新興株市場にとって支援材料となっています。東証マザーズ指数は1.45%上昇し、東証グロース市場Core指数も2.63%上昇しており、時価総額の上位銘柄に注目が集まっています。

さて、先週に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることが決定されました。FRB(米連邦準備制度)の議長であるパウエル氏の記者会見では、タカ派的なサプライズはなかったようです。また、欧州中央銀行(ECB)も0.25ポイントの追加利上げを決定しましたが、ラガルド総裁は決定発表後の会見で、今後の政策判断はデ

ータによって左右されると強調しました。利上げを一時的に休止することがあっても、その後に再び利上げする可能性があるとの見解も示されました。

米国経済が景気後退を避け、ソフトランディングを果たす可能性が高まっているとの認識が広まる中、各国の金融政策方針には不透明感が残っています。今週は米国の供給管理協会(ISM)の景況指数や中国の国家版および民間版の購買担当者景気指数(PMI)が発表されるほか、週末には米国の雇用統計も発表される予定です。物価指標の鈍化傾向は続いていますが、雇用関連の指標は依然として強いです。これらの指標には注目が必要でしょう。

一方、S&P500指数は7月にも上昇し続けており、保守的な投資家が積極的に参加しているほか、追いつけないという恐れを感じる投資家も参加しています。株式へのトレーダーの関心は歴史的に高い水準にあります。また、好調な米国株式相場に対してヘッジを考えるトレーダーはほとんどいないようで、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらによれば、株価の下落に備えたオプション市場の保護が「かつてないほど安い」とされています。

過去にインフレを抑制しつつ景気後退を招かずに成功した例はほとんどありません。S&P500指数にとって特にリターンの悪い9月が近づいていますが、株価の上昇がどうなるかが注目されています。

話は変わって、今週から国内企業の決算発表が本格化しています。主力銘柄の決算が相次いでおり、今日も個別の企業の株が活発に取引されています。好決算を発表した銘柄の買いが優勢となれば、株価指数の回復につながるでしょう。

また、7月の第3週(18日から21日)の投資部門別の売買動向によれば、海外投資家は現物株を197億円分購入しています(前週は2793億円の購入)。海外投資家の買い越しが4週連続で続いており、個人投資家も126億円分購入しており、3週連続での買い越しとなっています。後場の日経平均がプラスで推移するかはわかりませんが、雇用関連の指標が発表される前に企業決算が本格化しているため、主力銘柄に注目が集まっているようです。新興市場でも、決算を発表した銘柄への関心が高まっています。

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