来週の新興市場は、日本銀行による政策修正の影響で上値の重い展開が予想されます。
28日に日本銀行が政策修正を行ったことで、市場は乱高下し、新興株も大きな影響を受けました。
しかし、28日の日経平均は引けにかけて急速に下げ渋り、その晩の米国株も大幅に反発したことから、日銀材料による地合い悪化は収束しつつあるように見えます。
また、米国で週末に発表された物価指標により、インフレ鈍化傾向が再確認され、米長期金利の上昇が一服していることも市場を支援しています。
ただし、米国時間のマザーズ先物は大きく反発しているものの、日銀の政策修正に対する見解が未だ定まっていないように見受けられるため、短期的には市場の変動率の高い状況が続く可能性があります。
このような状況下では、流動性リスクの高い新興株は敬遠される可能性が高いと考えられます。
また、来週は国内で企業決算の発表が本格化します。
特に、再び注目されている銀行をはじめ、東証プライム市場の主力企業である商社などの決算が集中する見込みです。
プライム銘柄への物色が活発化する中で、新興株市場は閑散としたムードが優勢になるでしょう。
また、週末には米雇用統計が発表されます。米国では物価指標の鈍化が続く一方、雇用関連の指標は強い状況が続いています。
結果次第では、追加の利上げ懸念が再燃する可能性もあるため、週末にかけては新興株市場では手仕舞い売りが出やすく注意が必要です。
さらに、来週は機械学習を活用したオーダーメイド型の「カスタムAI」の開発を手掛けるLaboro.AI<5586>が東証グロース市場に新規上場する予定です。
個別では、急伸後の過熱感が解消され、再び強含んでいるベースフード<2936>や、決算を契機に反発機運が盛り上がっているシーユーシー<9158>にも注目が集まることでしょう。