2024年1月27日
考察
- 米国株式市場は今日、異なる動きを見せました。具体的な指標として、ダウ平均は60.30ドル高の38,109.43ドルで、一方でナスダックは55.13ポイント安の15,455.36で取引を終了しました。
- 朝の取引では市場は下落しました。その背景には、23年12月のPCEコア指数がインフレの鈍化を示し、これが投資家心理を一定程度支えた一方で、利益確定の売りや長期金利の上昇が相対的に重くのしかかりました。
- 特に、前日引け後に発表されたインテルの決算が失望され、これが半導体株を中心にハイテク株の一部に売りが出ました。ナスダック指数はこれにより7日ぶりに下落しました。
- セクター別の動きでは、耐久消費財・アパレル、小売りなどが上昇しましたが、半導体・同製造装置が大きく下げ、テクノロジー・ハード・機器、運輸なども下落しました。
その他の考慮点
- 商業銀行のキャピタルワン・フィナンシャル(COF)は市場予想を上回る好決算内容で上昇しました。
- 一方で、半導体メーカーのインテル(INTC)は前日引け後に発表した業績見通しが市場予想を下回り、これが下落の要因となりました。
- クレジットカード会社のアメリカン・エクスプレス(AXP)は好感され、買われました。
- 格安航空会社のスピリット(SAVE)は、同業のジェットブルー・エアウェイズ(JBLU)が28日以降に買収計画を解消することを通知したと伝わり、これが売りの要因となりました。
全体的な見通し
- 23年12月の個人消費支出(PCE)コア指数は、前年比で2.9%の上昇となりました。市場予想を下回ったものの、これは21年3月以降で最小の伸びとなりました。これは、好調な消費環境にもかかわらず、インフレの鈍化が確認されたことを示しています。
用語解説:初心者向け
- ダウ平均(Dow Average): アメリカの主要30銘柄の株価の平均値を表す指数。
- ナスダック指数(Nasdaq Index): アメリカのテクノロジー関連企業などを中心に取引される銘柄の指数。
- PCEコア指数(PCE Core Index): 個人消費支出の中でエネルギーや食品価格の変動を除いた指数で、インフレの動向を示す。
- 利益確定の売り(Profit Taking): 投資家が株価が上昇した際に、一定の利益を確定させるために売りを行うこと。
- 長期金利(Long-term Interest Rate): 長期間の債券の利回り。金利の動向は市場全体の経済状況に関する重要な情報とされている。
- 決算(Earnings): 企業が一定期間の業績を公表すること。市場参加者はこれを基に企業の健全性を判断する。
- セクター別(Sector-wise): 株式市場を異なる業種や部門に分け、それぞれの動向を分析すること。
- 耐久消費財(Durable Goods): 長期にわたり使用されることが期待される製品。例えば、家電製品や自動車など。
- 業績見通し(Earnings Outlook): 企業が将来の業績に関する予測を発表すること。市場予想との一致や不一致が株価に影響を与える。
- 個人消費支出(Personal Consumption Expenditure): 個人が商品やサービスに支出する金額。これは経済活動の中で大きな割合を占める。
- インフレの鈍化(Deceleration of Inflation): インフレ率が鈍化し、上昇が緩やかになること。