今週の注目イベント
9月小売売上高(10月19日)
地区連銀経済報告(ベージュブック)(10月20日)
パウエルFRB議長講演(10月22日)
用語解説
小売売上高:小売店の販売額の合計。景気動向の指標となる。
ベージュブック:地区連銀が景気動向をまとめた報告書。
FRB:アメリカ連邦準備制度理事会。アメリカの中央銀行。
利上げ:FRBが政策金利を上げることを指す。
インフレ:物価上昇率。
ドル:アメリカ合衆国の通貨。
リスク回避:リスクを避けるために、安全資産を買うこと。
安全資産:価格変動が少なく、リスクが低い資産。
国債:政府が発行する借用証書。
金利:国債の利息。
利上げ終了期待:FRBが利上げを終了するのではないかとの期待。
コアサービス価格:住宅を除いたサービス価格。
期待インフレ:将来のインフレ率の予想。
今週は、9月小売売上高や地区連銀経済報告(ベージュブック)、パウエルFRB議長講演に注目が集まります。
9月小売売上高は、伸びが縮小し利上げ終了に近づいたことを正当化する可能性があると見られます。
また、イスラエルとハマス戦闘の深刻化でリスク回避の動きが優勢となると見られます。イスラエルは国連にガザ北部からの職員退避を通告し、地上戦でイスラム過激派ハマス組織の破壊を試みると見られるため、安全通貨のフラン買いやリスク回避の円買いが優勢となると見られます。同時に、安全資産の米国債にも資金が流入し、金利低下でドルの上昇も限定的となると見られます。
一方、パウエルFRB議長講演では、一部高官と同様に最近の長期債利回りの急伸が金融市場の引き締まった証拠であり、金融政策が十分に景気抑制的水準、あるいは近づいたとの見解を示した場合、利上げ終了期待が強まり、ドル買いが後退する可能性があります。しかし、FRBが注視している住宅を除いたコアサービス価格は逆に1年ぶりの大幅な伸びを示しており、インフレ制御は容易ではないと見られます。原油価格の上昇で期待インフレも再び上昇しているため、議長はインフレを巡り勝利宣言にはまだ長い道のりと繰り返す可能性が強く、ドルは底堅い展開を継続すると見られます。
また、イスラエルとハマス戦闘が深刻化する中、共和党下院は議長選出に苦戦しており、政局混乱はリスク要因となると見られます。
今週は、(A)が、中間地点となるかに注目です。