東京株式市場と米国市場の影響:
- きょうの東京株式市場では、日経平均株価の軟調な値動きが予想されています。これは、米国市場での影響や中国経済の状況によるものです。
- 米国市場では、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がタカ派寄りの内容と受け止められ、金融引き締めが長期化する可能性が指摘されました。このことから、市場は警戒感を強め、株価が下落しています。
株式市場の動向:
- 東京株式市場では、中国経済の減速や同国の株式相場の下落を警戒した売りが先行し、株価は下落しました。
- 一時的には、主要な小売り企業が好決算を発表したことでプラス圏に回復しましたが、住宅着工件数や鉱工業生産の予想を上回るデータが発表されると、金利が上昇し再び売りが出て株価は下落しました。
金融引き締めとインフレリスク:
- 連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨において、インフレリスクに対する追加の金融引き締めの必要性が示唆されたため、市場参加者は金利の上昇を警戒しました。これにより、株価への圧力が高まりました。
セクター別の動向:
- セクター別では、保険セクターが上昇していますが、自動車・自動車部品セクターは大きく下落しました。特に、電気自動車メーカーのテスラは中国市場での値下げと収益性の低迷が影響して売られました。
個別企業の動向:
- 衣料小売りのTJマックスは第2四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回り、通期見通しの引き上げが好感されて株価が上昇しました。
- 一方、ディスカウント小売りのターゲットは同四半期決算で見通しが下方修正されましたが、利益率が予想を上回り、買われました。
- 電気自動車メーカーのテスラは中国市場でのモデルSとモデルXの値下げ発表により売られ、収益性の低迷が懸念されました。
- 半導体のインテルは中国の承認が得られず、タワーセミコンダクターの買収計画を断念した報道により下落しました。
- 自動車メーカーのGMとフォードは労使交渉に関する不透明性により株価が下落しました。
シスコシステムズの動向:
- ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズは四半期決算で1株利益が予想を上回りましたが、将来の見通しが弱く、時間外取引での動きも方向感が乏しい展開となりました。
NY為替市場の動向:
- ニューヨーク外為市場では、ドル・円の為替レートが上昇しました。米国の住宅着工件数と鉱工業生産のデータが予想を上回り、金利の上昇とともにドル買いが強まったためです。FRBがFOMC議事要旨で追加引き締めの可能性を示唆したことも影響しました。
NY原油市場の動向:
- NY原油先物は続落し、79.38ドルで取引を終了しました。株価の下落やドル高により売りが強まり、80ドルを下回る水準となりました。
主要米国企業の終値:
- 複数の主要な米国企業の株価は異なる動きを示しました。バンクオブアメリカやゴールドマン・サックスなどが下落しましたが、TJマックスやウォルマートなど一部の企業は上昇しました。
バンクオブアメリカ(BAC) 29.29ドル -0.65ドル(-2.17%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.99ドル -0.17ドル(-0.20%)
ゴールドマン・サックス(GS)329.11ドル -3.10ドル(-0.93%)
インテル(INTC) 33.53ドル -1.24ドル(-3.57%)
アップル(AAPL) 176.57ドル -0.88ドル(-0.50%)
アルファベット(GOOG) 129.11ドル -1.16ドル(-0.89%)
メタ(META) 294.29ドル -7.66ドル(-2.54%)
キャタピラー(CAT) 274.51ドル -2.86ドル(-1.03%)
アルコア(AA) 29.31ドル -1.03ドル(-3.39%)
ウォルマート(WMT) 159.26ドル +0.08ドル(+0.05%)
FRBの動向と金融政策:
- 米連邦準備制度理事会(FRB)はFOMC議事要旨でインフレのリスクと引き締めの可能性を指摘しました。メンバー間での見解の相違が示され、金融政策の将来的な決定に
はデータに基づく判断が重要とされました。また、金融政策の方向性に関するパウエル議長の講演が注目されます。
将来展望:
- 米国経済の好調さやインフレリスク、金融引き締めへの警戒感が市場の動向に影響を与えています。国際経済シンポジウムでのFRB議長の発言や経済データの影響を受けながら、市場の動向が注目されるでしょう。景気減速の兆候は見られませんが、利下げの期待は限定的とされています。
今夜のイベント
・21時30分:米)新規失業保険申請件数
・21時30分:米)フィラデルフィア連銀景況指数
・23時00分:米)景気先行指数
テクニカル的には、4時間足チャートは、週足の値幅抵抗帯を目指しています。