2025年1月6日
米国株式市場の動向と東京株式市場の見通し
【考察】
1月3日の米国株式市場では、ニューヨークダウ平均株価が前日比339.86ドル上昇し、4万2732.13ドルで取引を終了しました。この上昇は、5日ぶりの反発となります。同様に、ナスダック総合指数も340.884ポイント上昇し、1万9621.677ポイントで取引を終え、6日ぶりに反発しました。出来高は、ニューヨーク市場が約8億1696万株、ナスダック市場が約73億9750万株となっています。
今回の上昇要因としては、以下の点が挙げられます。
- 米国12月のISM製造業景況指数が49.3となり、市場予想の48.2を上回ったことから、経済状況の堅調さが評価されたこと。
- 前日までの株価下落を受けた自律反発を狙った買いが入ったこと。
個別銘柄では、エヌビディア、アメリカン・エキスプレス、アマゾン・ドット・コムなどが特に大きな値上がりを見せました。
【その他の考慮点】
6日の東京株式市場は、続落後も軟調な動きになる可能性があります。3日の米国株式市場が上昇したものの、これは年末年始にかけての下落の反動と見られるため、東京市場への直接的な影響は限定的と考えられます。また、シカゴ日経平均先物の円建て清算値が前回比305円安の3万9595円であったことから、東京市場も朝方はこの値に合わせた取引が進むと予測されます。
年始の取引という特殊性から、積極的な売買は期待しづらく、売りが一巡した後は様子見のムードが広がる見込みです。
為替相場では、ドル・円の為替レートが1ドル=157円台前半で推移しており、この動きが輸出関連銘柄の取引に影響を与える可能性も考えられます。
【全体的な見通し】
- 米国市場の堅調な経済指標は、日本市場にも一定の安心感を与える可能性があります。
- しかし、東京市場は年始の取引であり、投資家の動きが控えめになる可能性が高いことから、大きな上昇にはつながりにくいと見られます。
- 為替や先物市場の影響を受けつつ、売りと買いのバランスを見極めた慎重な取引が中心になると予想されます。
【用語解説:初心者向け】
- ニューヨークダウ(NYダウ):アメリカの主要30社の株価を元に算出される平均株価指数。米国市場の代表的な指標。
- ナスダック総合指数:ハイテク企業が多く上場しているナスダック市場の株価動向を示す指数。
- ISM製造業景況指数:アメリカの製造業の景気動向を示す指標。50を基準に、それ以上で景気拡大、それ以下で景気縮小を示す。
- 自律反発:短期間で株価が下落した後に、売られ過ぎを修正するために一時的に上昇する動き。
- シカゴ日経平均先物:アメリカ・シカゴ市場で取引される日経平均株価の先物取引。翌日の日本市場の動きを予測する指標とされる。
- 為替相場:異なる通貨の交換レートのこと。企業の輸出入や投資に大きく影響を与える。