2024年12月11日
米国および日本株式市場の動向
【考察】
12月10日の米国株式市場では、ニューヨーク・ダウ平均株価が前日比154.10ドル安の44,247.83ドルで4日続けて下落しました。同様に、ナスダック総合指数も49.448ポイント安の19,687.242ポイントで取引を終了しました。この背景には、11日に予定されている11月の消費者物価指数(CPI)【用語解説:初心者向け参照】の発表を控えた市場参加者の慎重な姿勢が挙げられます。特に、半導体関連株が軟調な動きを見せ、ニューヨーク・ダウ採用銘柄の中では、キャタピラーやメルク、エヌビディアなどが値下がり率上位となりました。
【その他の考慮点】
翌11日の東京株式市場では、弱含みの展開が予想されます。米国市場での株安や、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落が日本の半導体関連株に影響を及ぼすと考えられるからです。また、為替相場では、1ドル=151円台後半とやや円安方向に振れており、これが市場に与える影響も注目されています。日経平均株価は、一進一退の動きが見込まれ、米国の消費者物価指数の発表を控えた様子見姿勢が強まる可能性があります。予想レンジは39,000円から39,600円とされています。
【全体的な見通し】
米国株式市場ではCPIの結果が、インフレ動向や金融政策に対する見方を左右する重要な指標となります。そのため、発表後には市場全体のボラティリティ(価格変動性)が一時的に高まることが予想されます。一方、東京市場では、米国市場の動向に加え、円安による輸出企業へのプラス影響が考えられるものの、全体としては様子見の姿勢が続くでしょう。
【用語解説:初心者向け】
- 消費者物価指数(CPI)
消費者が購入する商品やサービスの価格変動を示す指標です。経済のインフレやデフレの状況を把握するために重要な統計データで、金融政策の判断材料となります。 - フィラデルフィア半導体株指数(SOX)
半導体産業に関連する主要企業の株価を集めて算出される指数で、半導体関連企業の業績動向や市場全体の健康状態を把握するための指標として用いられます。 - 為替相場
異なる通貨の交換比率のことを指します。本件では1ドル=151円のレートが用いられています。円安は輸出企業にとって有利に働く場合があります。