2024年11月21日
米国株式市場と日本市場の動向
【考察】
20日の米国株式市場では、ニューヨーク・ダウ工業株30種平均が前日比139.53ドル高となり、5日ぶりに反発しました。一方で、ナスダック総合指数は21.325ポイント安となり、3日ぶりに反落しました。この背景には、短期的な調整としての買い戻しの動きが見られました。特に、ニューヨーク・ダウではユナイテッドヘルス、アムジェン、IBMといった銘柄が値上がり率の上位を占めています。一方、出来高はニューヨーク市場で約8億9100万株、ナスダック市場で約63億1000万株でした。
ウクライナが英国製の巡航ミサイルをロシア領内に向けて発射したとの報道もあり、地政学的な緊張が高まる可能性が市場で懸念されています。しかし、この日ニューヨーク・ダウが上昇した背景には、過去4日間で約690ドル下落していた反動が影響したと考えられます。
【その他の考慮点】
日本市場については、21日の株式市場で弱含みの展開が予想されます。その理由として、20日の米国市場終了後に発表された米半導体大手エヌビディアの2024年8月から10月期決算があります。この決算では売上高が前年同期比94％増、純利益が同2.1倍と大幅な増収増益を記録しましたが、次期売上高の見通しが市場予想を下回ったため、時間外取引で株価が下落しました。この影響を受け、日本の半導体関連銘柄も下押しされる可能性があります。
さらに、為替市場ではドル円相場が155円台前半となっており、この動きが日本市場の投資家心理に影響を及ぼすかもしれません。
【全体的な見通し】
米国市場では、地政学的なリスクが引き続き注目されていますが、短期的な買い戻しの動きが下支えになる可能性があります。一方、日本市場では、米国市場の動向や為替相場の影響が重しとなり、弱含みの展開が予想されます。特に半導体関連銘柄については、エヌビディアの決算が市場全体に与える影響を注視する必要があります。
【用語解説：初心者向け】
- ニューヨーク・ダウ工業株30種平均：アメリカの主要な30銘柄を集めた株価指数で、市場全体の動向を把握する指標の一つです。
- ナスダック総合指数：ナスダック市場に上場する銘柄を対象とした株価指数で、特にハイテク企業の動向を反映します。
- 出来高：一定期間内に取引された株式の数量を指し、市場の活発さを示す指標です。
- 巡航ミサイル：長距離を飛行し、正確に目標を攻撃するためのミサイルの一種です。
- 半導体：電子機器やコンピュータの中核部品で、現在の技術産業の基盤を成しています。
- 為替相場：異なる通貨の交換比率を指します。ドル円相場は1ドルを何円で交換できるかを示します。
