来週の東京市場【環境認識】

2024年8月25日

【考察】
今週の株式市場は、日経平均株価が先週末と比べて301.60円(0.79%)上昇し、3万8364.27円で終了しました。8月19日の週明けは、3万8000円を回復したことで、利益確定の売りが先行しましたが、翌日の20日には下落分を吸収し、買い意欲が強いことが確認されました。

8月23日に控えたカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム、通称ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を見極めたいという投資家心理が強く、今週は薄商いの中での短期的な売買が主流となりました。さらに、国内では日銀の植田和男総裁が衆参両院で答弁を行う予定があり、為替の動向も相場に影響を与えました。

【その他の考慮点】
日経平均株価は、75日移動平均線が心理的な抵抗線として注目される中、下値を徐々に切り上げるトレンドを形成しています。パウエルFRB議長の講演後には再び上昇トレンドに入る可能性が高まります。来週の市場では、8月23日の講演後の米国市場の動向が大きく影響を与えると考えられます。特に、日経平均株価が大きく下落する場合は、25日移動平均線が下値の支持線として機能し、3万7000円付近での押し目買いが狙えるでしょう。

【全体的な見通し】
来週の注目点は、パウエルFRB議長の講演だけでなく、8月28日に予定されているエヌビディア(NVDA)の決算発表です。特に、高い指数インパクトを持つハイテク株の値動きが不安定な中で、エヌビディアの決算がポジティブに評価された場合、日経平均株価を押し上げる要因になることが期待されます。また、最近のリバウンドが薄商いの中で進んできたことから、今後、イベントが通過した後に買い遅れた投資家やファンドが市場に再び参入してくる可能性があります。

【用語解説:初心者向け】

  • 日経平均株価: 東京証券取引所に上場している主要な225銘柄の平均株価。日本経済の動向を示す代表的な指標の一つ。
  • カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議): 毎年アメリカ・ワイオミング州ジャクソンホールで開催される、世界の主要な中央銀行総裁や経済学者が参加する会議。金融政策の方向性について議論されることが多く、注目される。
  • パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長: アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会の議長。金融政策を決定する重要な役割を持つ。
  • 75日移動平均線: 株価の移動平均線の一つ。特に75日間の株価の平均値を繋いだ線で、相場の中長期的な動向を示すことが多い。
  • 25日移動平均線: 株価の短期的な動きを示す指標で、25日間の平均値を繋いだ線。株価のサポートラインとして意識されることがある。
  • エヌビディア(NVDA): アメリカの半導体メーカーで、特にグラフィックスカード(GPU)の製造で有名。AI関連の技術でも注目されている。
  • 値がさハイテク株: 株価が高額なハイテク企業の株。市場に対して大きな影響力を持つことが多い。
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