2024年8月10日
【考察】
今週の日経平均株価は下落し、最終的に先週末と比べて884.70円(2.46%)安の3万5025.00円で取引を終えました。これは、7月の米国雇用統計が市場予想よりも弱かったことを受けて、米国経済の後退懸念が高まったためです。特に、週明けの8月5日には、前日比4451円安という大幅な下落を記録しました。これは、1987年のブラックマンデー翌日に記録された3836円安を上回る、過去最大の下落となりました。
その後、8月6日には、7月の米国ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことで、米国経済の後退懸念が和らぎ、前日比3217円高という過去最大の上昇を見せました。8月7日には前日比414円高、8月8日には前日比258円安と、小幅な値動きが続きましたが、日中の変動幅は依然として大きく、短期的な売買が中心となりました。
【その他の考慮点】
週末の8月9日には、日経平均株価が買い先行でスタートし、一時は前日比800円高まで上昇しましたが、後場には下落に転じ、一時は400円安まで売られました。しかし、14時を過ぎると再びリバウンドし、最終的には前日比193.85円で取引を終えました。為替市場では、ドル/円相場が1ドル=147円台で安定しており、これもリバウンドを支えた要因の一つとなりました。
【全体的な見通し】
来週の日経平均株価は、押し目買いのスタンスが強まると予想されます。お盆休みの影響で市場参加者が限られる中、世界同時株安の流れが落ち着きつつあるため、過度に売り込まれた銘柄が反発する可能性があります。特に、好業績の銘柄が再評価される動きが期待されます。
また、米国では来週も重要な経済指標の発表が予定されており、市場の変動要因となる可能性があります。具体的には、7月の卸売物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)、8月のニューヨーク連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、ミシガン大学消費者態度指数が挙げられます。
一方で、今回の急落によってCTA(商品投資顧問)などが買いポジションを解消したとの見方があり、さらなる波乱の展開は避けられると見られています。逆に、目先の底入れが意識されやすくなるでしょう。
【用語解説:初心者向け】
- 日経平均株価: 日本の株式市場を代表する株価指数で、東京証券取引所に上場している主要225銘柄の平均株価を示します。
- ブラックマンデー: 1987年10月19日に起こった世界的な株式市場の大暴落を指します。
- ISM非製造業景況指数: 米国のサービス業の経済活動を示す指標で、50を上回ると景気拡大、下回ると景気後退を示します。
- ドル/円相場: 米ドルと日本円の為替レートを指し、1ドルが何円で取引されるかを示します。
- 押し目買い: 株価が一時的に下がったタイミングで株を購入すること。
- CTA(商品投資顧問): 金融市場において、商品や先物取引を専門に扱う投資顧問業者のこと。