2024年7月7日
日経平均株価の週間動向と展望
【考察】
今週(7月1日~5日)の日経平均株価は上昇し、4日には3月22日以来の最高値を更新しました。5日には一時的に4万1100円まで上昇し、最終的には先週末と比べて1329.29円(3.36%)高い4万912.37円で終えました。
2024年下半期が始まったことで、ファンドによる資金流入が続き、特に後場にインデックス買いが見られました。ソフトバンクグループ(9984)や東京エレクトロン(8035)などのハイテク株が日経平均を牽引しました。
為替市場では円安トレンドが続き、日銀の金融政策変更への期待から長期金利が上昇し、金融株への投資も見られました。
米国では予想を上回る経済指標の発表が相次ぎ、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げへの期待が高まり、米国の長期金利の低下を受けたハイテク株への投資が強まりました。
【その他の考慮点】
7月4日は米国市場が独立記念日のため休場であり、海外投資家の売買が限られました。そのため、翌5日の日経平均株価は一時的に下落しましたが、わずか1.28円の下落にとどまりました。
【全体的な見通し】
来週(7月8日~12日)の日経平均株価は、今週の上昇による過熱感を冷ますための下落が予想される一方で、押し目買いの意欲も強いと考えられます。
週初の7月8日は、5日に発表された米雇用統計の結果に左右されるでしょう。雇用者数と賃金の伸びの鈍化が見込まれており、FRBによる早期利下げを後押しする可能性があります。その場合、米国の長期金利が低下し、ハイテク株への支援材料となるでしょう。
また、7月8日と10日にパッシブ型ETFの決算日が予定されており、分配金捻出のための売り需要が発生する可能性があります。この売りは相場の重荷になるかもしれませんが、強い相場が続いている中で買い遅れているファンドにとっては買いの好機となる可能性もあります。
【用語解説:初心者向け】
- 日経平均株価: 日本の株式市場の代表的な株価指数で、225銘柄の株価を平均したもの。
- インデックス買い: 特定の指数(インデックス)に連動する投資商品の買い注文のこと。
- ハイテク株: 高い技術力を持つ企業の株式。
- 円安トレンド: 円の価値が他の通貨に対して下がる傾向。
- 長期金利: 期間の長い債券の金利。
- 米連邦準備理事会(FRB): アメリカの中央銀行。
- 利下げ: 中央銀行が政策金利を引き下げること。
- パッシブ型ETF: 指数に連動する投資信託の一種。
- 分配金: 投資信託が投資家に分配する利益。