来週の株式市場の見通し

来週から銀行を皮切りに決算シーズンが始まるため注目です。
一部の銀行では収益率の低下が警戒されています。
ただ、FRBの利上げサイクルが近く終了するとの見方により、金融ひっ迫要因が後退し、さらにソフトランディング観測が強まりつつあるなか、見通しが予想を上回ると、相場の上昇をけん引することが期待されます。
昨年は金融ひっ迫で地銀の数行破綻に繋がりました。
来週はまた、FRBの利下げ観測が強まる中、金融政策決定に重要なインフレ指標、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)にも注目が必要です。

CPIは、住宅やサービスコストの上昇により総合指数で伸び拡大が予想されています。
ただ、FRBが最も注目している燃料や食品を除いたコア指数は2021年5月以来の3%台に伸びが一段と鈍化する見通しです。
通常はCPIよりも注目度が少ないPPIは、昨年最後のFOMC直前に発表された11月分で伸びが大幅に鈍化した結果を受け、数人のFRB高官が金利予想を修正したことが明らかになっており、12月分にも注目が必要です。

12月FOMCでは政策金利の据え置きが3会合連続で決定されましたが、同時に発表された四半期ごとに発表されるスタッフ予測において、24年に平均で3回の利下げ予想とハト派に転じたため、金利安、ドル安、株高に拍車をかけました。12月PPIは、総合で伸びが拡大予想。コア指数では11月と同水準の伸びが予想されています。
年初から国債市場でも行き過ぎた利下げ観測を調整する動きが先行しています。
今週、FRBが公表した12月FOMCの議事録でも引き締め策を当面維持する方針が再確認され、追加利上げの可能性も除外しない姿勢が示されており、インフレ鈍化傾向が滞った場合、株式相場も利益確定売りが優勢になることが予想されます。

経済指標では、11月貿易収支(9日)、11月卸売在庫(10日)、12月消費者物価指数(CPI)、週次新規失業保険申請件数(11日)、12月生産者物価指数(PPI)(12日)、などが予定されています。

主要企業決算では、銀行でバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、ブラックロック(12日)、また、住宅建設会社のKBホーム

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