米国株式市場【環境認識】

2024年3月3日

米国株式市場は下落、アップルやハイテク株に売り圧力

2024年最初の取引日となった2日の米国株式市場は、ナスダック総合とS&P総合500種が下落して終了しました。バークレイズによるアップルへの投資判断引き下げを嫌気した売りが広がり、他の大型ハイテク株も下げました。

考察

アップルは、2024年のiPhoneなどの需要低迷に懸念を示したバークレイズが投資判断を「ニュートラル」から「アンダーウエート」に引き下げたことで、3.6%安の185.64ドルで取引を終了しました。

これを受けて、他の大型ハイテク株も下落しました。半導体大手のエヌビディアは1.4%安、メタ・プラットフォームズは2.7%安、マイクロソフトは2.2%安となりました。

また、債券市場では米国債利回りが上昇し、10年債利回りは一時4.000%台に乗せました。こうした国債利回りの動きは、FRBによる今年の利下げ観測を反映したものですが、株式市場ではハイテク株を中心とする成長株に対する重しになりました。

その他の考慮点

個別銘柄では、ボーイングが3.4%安となりました。ゴールドマン・サックスがコンビクション・リストから除外したことが嫌気されました。

電気自動車(EV)大手のテスラは、2023年第4四半期の納入台数が予想を上回り、過去最高を更新したと発表しました。しかし、株価は横ばいで終了しました。

暗号資産(仮想通貨)ビットコインが2日の取引で2022年4月以来初めて4万5000ドルを上回ったことを受け、マイクロストラテジーなどの暗号資産関連銘柄が上昇しました。

全体的な見通し

米国株式市場は、2023年末から年明けにかけての株価上昇を受けて、年初から調整局面に入っています。

今回の下落は、アップルへの投資判断引き下げや、債券市場で米国債利回りが上昇したことなどが主な要因と考えられます。

今後の株式市場の見通しについては、以下の点に留意する必要があります。

  • インフレ率の動向
  • FRBの金融政策
  • 景気動向

インフレ率が今後も高止まりすれば、FRBは引き締め姿勢を維持することになり、株式市場は下落圧力を受ける可能性があります。

また、FRBが利下げを開始しても、金融政策は依然としてタイトであり、経済活動全体の足かせになる可能性が高いと指摘されています。

景気後退のリスクも意識する必要があります。

用語解説:初心者向け

  • 投資判断:証券会社やアナリストが、特定の銘柄に対して行う評価
  • ニュートラル:中立的な評価
  • アンダーウエート:割安と判断し、投資を控えるよう勧める評価
  • 利下げ:中央銀行が政策金利を引き下げること
  • タイトな金融政策:金融引き締めによって、資金の供給が制限されている状態
  • リセッション:経済がマイナス成長に陥ること
  • コンビクション・リスト:証券会社が、投資に最も自信を持って推奨する銘柄のリスト
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