週末の環境認識:日経225先物

来週の東京株式市場は、上値の重い展開が想定される。

  • 週半ばに8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、結果次第で株価が上下に振れる展開もありそうだ。
  • ハイテク製品を巡る米中対立への懸念もくすぶり、積極的な上値追いの動きは限定的となりそうだ。
  • 日本株は大幅上昇してきたことから、引き続き利益確定目的の売りも出るとみられる。

日経平均の予想レンジは3万2400円─3万3100円。

解説

  • 米CPI:アメリカの消費者物価指数。アメリカの物価動向を示す指標であり、株価に大きな影響を与える。
  • 米中対立:アメリカと中国の貿易摩擦や技術覇権争い。両国の経済関係が悪化し、世界経済の不安定化につながる懸念がある。
  • 利益確定:保有している株式を売却し、利益を得ること。株価が大きく上昇した後によく見られる。

専門家からの見方

  • 米国では再び利上げ長期化懸念がくすぶっているほか、中国関連の話でハイテク株が弱含んでいるので、若干警戒してみている。週半ばに発表される米CPIで強い数字が出た場合は、金融引き締め長期化が意識され、短期的には下振れ要因になるだろう。
  • 日本株は9月末を控え配当利回りの高い銘柄や内需主力株への買いは続くとみられるが、TOPIXもバブル後高値を更新するなど、足元ではやや急ピッチに上げてきた感がある。米中対立懸念がくすぶる中、上値追いというよりも、値固めの週になるのではないかとみている。
  • 米中のハイテク関連の規制の話については、注視する必要があるだろう。日本株は足元で大きく上昇し、調整という動きになっているが、マクロ環境自体は上昇していた際と大きく変わっていないので、ここからさらに下値を切り下げていくことは考えづらい。25日移動平均線や75日線が下値として意識されるのではないか。
  • 注目は週末に発表される中国の各種経済統計だろう。日本の株式市場をみる上では、中国景気はある程度影響が大きいので、月次統計で景気の回復が確認できれば日本市場の追い風となるだろう。米CPIに関しては、強い結果が出てきた場合は2024年の利下げ開始時期が市場想定よりも遠のく可能性があり、その場合は日本株はいったんは下に振れるかもしれない。ただ、国内景気の堅調さを考えると、日本株は底型い展開が期待できるのではないか。

まとめ

来週の東京株式市場は、米CPIの結果や米中対立などのリスク要因が意識され、上値の重い展開が想定される。ただし、国内景気の堅調さや、9月末を控えた配当利回りの高い銘柄や内需主力株への買いは続き、底堅い展開が期待できる。

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