2025年1月22日
【考察】
21日の米国株式市場は、続伸を記録しました。ニューヨークダウ平均株価(NYダウ)は前週末比537.98ドル高の44,025.81ドル、ナスダック総合指数は126.58ポイント高の19,756.779ポイントで取引を終えました。出来高は、ニューヨーク市場が約10億7,208万株、ナスダック市場が約71億7,981万株でした。NYダウが44,000ドル台を回復したのは、昨年12月11日以来約5週間ぶりのことです。
トランプ米大統領は、カナダとメキシコからの輸入品に対し、2月から25%の関税を課す方針を表明しました。一方で、中国やその他国に対する具体的な関税引き上げには言及がなく、この点が市場に安心感を与え、幅広い銘柄が買われる展開となりました。特にスリーエム、キャタピラー、ナイキといったNYダウ採用銘柄が値上がり率の上位を占めました。
【その他の考慮点】
22日の東京株式市場も堅調な展開が予想されています。米国市場での株高を受け、東京市場では買い先行のスタートが見込まれています。米メディアによると、トランプ大統領は人工知能(AI)分野のインフラに巨額投資を行う計画を発表し、この投資にはソフトバンクグループや米オラクル、OpenAIが参加すると報じられました。特に米オラクル株が急上昇していることから、AI関連銘柄に対する投資家の注目が高まる可能性があります。為替相場では、ドル円が1ドル=155円台半ばで推移しています。
【全体的な見通し】
東京株式市場では、日経平均株価が続伸すると予想されます。米国市場でのハイテク株上昇の流れを引き継ぐ形で、AI関連銘柄が市場を牽引する可能性があります。ただし、高関税政策など、トランプ政権の経済政策に対する慎重な見極めも必要とされ、市場全体が積極的に上値を追う展開にはならない可能性もあります。
【用語解説:初心者向け】
- ニューヨークダウ平均株価(NYダウ):アメリカの株式市場を代表する指標で、大企業30社の株価を平均したものです。
- ナスダック総合指数:主にハイテク企業が多く上場するNASDAQ市場の株価指数を指します。
- 人工知能(AI):コンピュータが人間のように学習や推論を行う技術のことです。
- 関税:輸入品に課される税金のことで、国内産業の保護や国の収入源として使われます。
- 為替相場:異なる国の通貨の交換比率を表すもので、ドル円はアメリカドルと日本円の交換レートを示します。