2024年12月20日
米国株式市場と東京株式市場の動向
【考察】
19日の米国株式市場では、ニューヨークダウ平均が前日比15.37ドル上昇し、11日ぶりに反発しました。一方で、ナスダック総合指数は19.925ポイント下落し、3日連続の続落となりました。前日に大幅下落があったため、反動で買いが先行したことが要因です。加えて、7月から9月期の米国の国内総生産(GDP)が年率換算で3.1%増となり、市場予想の2.8%増を上回る結果が投資家心理を支えました。しかし、10年物米国債の利回りが4.59%と7カ月ぶりの高水準に達し、株式の相対的な割高感が意識され、ダウ平均の上げ幅は縮小しました。ナスダック市場では、マイクロン・テクノロジーズやアーム・ホールディングス、アプライドマテリアルズなどのハイテク株が下落しました。
【その他の考慮点】
翌20日の東京株式市場では、株価がもみ合う展開が予想されます。19日の日経平均株価は一時700円を超える大幅下落がありましたが、取引終了時には下落幅を縮小しました。このことから、市場は底堅い動きを見せており、堅調なスタートが期待されます。ただし、週末を控えた要因や新たな材料の不足が上値の重さにつながる可能性があります。また、為替相場ではドル円が157円台半ば、ユーロ円が163円台前半と円安が進んでおり、輸出関連銘柄への見直し買いが見込まれる状況です。
【全体的な見通し】
米国市場では経済指標が予想を上回る好調さを示す一方で、金利上昇による株式市場への圧力が引き続き懸念されています。東京市場では円安が輸出関連企業にプラス材料となるものの、全体的には材料不足と週末の影響で方向感に欠ける展開が予想されます。
【用語解説:初心者向け】
- ニューヨークダウ平均:アメリカの主要な株価指数の一つで、大企業30社の株価を基に計算されています。
- ナスダック総合指数:アメリカのナスダック市場に上場している株式全体の動きを表す指数です。特にハイテク関連企業が多く含まれます。
- 国内総生産(GDP):一定期間内に国内で生産された財やサービスの総額を示す指標です。経済成長を測る基準として使われます。
- 10年物米国債利回り:10年満期の米国債券の利率で、金利の動向や経済状況を示す重要な指標です。
- 為替相場:異なる国の通貨の交換比率を指します。ドル円やユーロ円は、円に対するドルやユーロの価値を表します。
- 円安:円の価値が相対的に下がり、他通貨に対して円が安くなることを指します。