日銀が定常的にプラスの政策金利を維持できることが、日本の景気・株価を自立させることができる。
- 日本株の急落と海外投資家の動向:
- 今月初旬、日本株が急落しましたが、長期投資家の多くは動いていませんでした。
- 一方で、マクロヘッジファンドは指数先物の空売りを積極的に行いました。
- 海外投資家の売買動向:
- 東証のデータによると、8月5日を含む4週間で海外投資家の現物取引は8700億円の売り越しにとどまりました。
- 年初から8月16日までの累計では、3.95兆円の買い越しを維持しています。
- 5月後半からの5週間で7000億円の現物売りがありましたが、これは一部のアジア投資家の動きによるものです。
- 中長期の日本株投資家の動向:
- 日本のデフレ脱却、企業ガバナンスの改善、中国からの資金シフトを中心ストーリーに据えている中長期の日本株投資家は、ほとんど撤退していません。
- マクロヘッジファンドの動き:
- マクロヘッジファンドは、日経225やTOPIXの指数先物を大きく売り越しました。
- 米国の長期投資家は、日本株の売りはおかしいと考えていますが、マクロヘッジファンドにとっては自明のことでした。
- 米連邦準備理事会(FRB)の影響:
- 米国株はFRBの利下げによって株価が押し上げられるため、空売りが難しいです。
- 日本株は、米国が景気後退に陥ると最も狙い撃ちされやすいです。
- 円キャリートレードと株安の関係:
- 円キャリートレードが巻き戻されたことが世界的な株安を招いたという説は実態に即していません。
- ヘッジファンド全体のポジションを見ると、米国株のロング、新興国通貨のロング、日本円のショートが拡大していました。
- 過去の円ショート・日本株ロングの動き:
- 安倍晋三首相と黒田東彦日銀総裁の時代には、円ショート・日本株ロングのポジションが積み上げられました。
- 現在の日銀金融政策は金利を上げる方向に向いており、円安は米国の高金利によるものです。
- 米国景気と日本株の関係:
- 米国景気が堅調である限り、日本株は円安・株高のシナリオが現実味を帯びています。
- 米年次経済シンポジウムでパウエルFRB議長が利下げ局面に入ることを宣言しました。
- 日本株が米国景気に翻弄されやすい構図:
- 日本株が米国景気に翻弄されやすい構図は変わっていません。
- 日銀のサプライズ利上げは「植田ショック」とも形容されましたが、長期的にはプラスの政策金利が必要です。
このように、海外投資家やマクロヘッジファンドの動き、FRBの金融政策、日本株の特性など、さまざまな要因が絡み合って日本株の動向が決まっています。