14日の日経平均は、前日比461.58円高の33168.10円と急反発した。
要因
- 米CPIが予想を上回ったものの、利上げサイクル終了期待が根強く、買いが先行したこと。
- 米CPIを波乱なく消化できた安心感から、日経平均は219円高からスタートしたこと。
- 第2次岸田内閣の経済対策への期待や、時間外取引の米株価指数先物の大幅高が支援材料となったこと。
- 中間配当の権利取りを狙った買いも支援材料となったこと。
結果
- 上向きに転じた5日移動平均線を突破し、終値は9月6日以来の33000円台復帰。
- 一目均衡表では終値の雲上限突破で三役好転による強気形状が復活したことに加えて、遅行線が強気シグナルを増大させており、買い手優勢を示唆している。
- 東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は128.65%と9月8日の直近ピークを超えて5月22日以来の水準に上昇しており、潜在的なスピード調整圧力の強まりにも留意が必要となった。
個別銘柄
- 石油・石炭製品、鉄鋼、不動産を筆頭にほぼ全面高となった。
- 出光興産、ENEOSなどの石油・石炭製品、東京鐵鋼、神戸製鋼所などの鉄鋼、東北電力、東京電力HDなどの電気・ガス、野村HD、大和証券G本社などの証券、MS&AD、東京海上HDなどの保険、帝人、東レなどの繊維製品、レンゴー、王子HDなどのパルプ・紙などバリュー系が全般強く推移した。
- HOYA、東京精密、TOWA、東エレク、ディスコ、イビデン、TDKなどの半導体関連やハイテクの一角も高い。
- 決算が好感されたトルク、丹青社、鳥貴族HDなどは大幅に上昇した。
- 投資判断の格上げが好感された第一生命HD、T&DHD、かんぽ生命、SBIHD、積水ハウスなども上昇した。
- 国内証券が投資判断を引き下げた川崎汽船が下落した。
- 7月機械受注の下振れが嫌気されたかファナック、平田機工、THK、前澤工業、クボタ、竹内製作所などが軟調に推移した。
- 英半導体設計大手アームの公開価格が決定したソフトバンクGは材料出尽くし感から下落した。
- 小糸製作所は外資証券による投資判断の格下げで大幅安となった。
- エイチ・アイ・エス、ヤーマンは決算が失望されて大きく下落した。
解説
- 米CPIは、前月比5.3%上昇と、市場予想の5.2%を上回った。しかし、インフレ率はピークアウトに向かっているとの見方が広がり、利上げサイクル終了期待が強まった。
- 第2次岸田内閣は、経済対策の概要を発表。経済成長と分配の好循環を実現するための施策を盛り込んだ。
- 時間外取引の米株価指数先物は、大幅高となった。
- 中間配当の権利取りを狙った買いも支援材料となった。
今後の見通し
- 日経平均は、米利上げサイクルの行方や、国内の景気動向などを見極めながら、上昇基調を維持していくと予想される。
- ただし、急激な上昇により、潜在的なスピード調整圧力の強まりにも留意が必要である。
テクニカル分析
4時間足チャート:現在は、(5)の上昇波動です。チャネルラインの上限を越えて行けるかに注目しています。