2024年1月20日
株式市場の動向と展望
考察:
- 日経平均株価は年初からの強さを維持し、1月15日には一時3万6000円を回復しました。しかし、その後は値動きの少ない膠着した展開となり、17日には一時3万6239.22円まで上昇し、昨年来高値を更新しました。
- 為替市場では円相場が1ドル=148円台と円安基調となり、これが自動車などの輸出関連銘柄の堅調な推移につながりました。同時に、米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米・バークシャーが日本の商社株への出資比率を高めているとの報道も、関連銘柄への物色を引き起こしました。
- その他、米国市場でエヌビディア(NVDA)が最高値を更新したり、TSMC(台湾積体電路製造:TSM)が決算を受けて急伸したりする影響もあり、日本市場でも東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)など、日経平均株価への寄与度の高い“値がさハイテク株”が上昇しました。
- さらに、上海取引所に上場する日経平均株価連動型の上場投資信託(ETF)の商いが過熱し、一時売買が停止するなど、中国マネーの流入観測が相場の先高期待に寄与しました。
その他の考慮点:
- 来週(1月22〜26日)の日経平均株価は、今週に引き続き、堅調な相場展開が期待されます。
- 1月22〜23日の日銀の金融政策決定会合の結果が注目されますが、マイナス金利政策の維持が予想され、アク抜けが期待されます。
- 来週は米国で主要企業の決算発表が控えており、国内でも複数の企業の決算が予定されています。これらの決算内容が予想を下回れば、相場全体が様子見姿勢に向かう可能性があります。
全体的な見通し:
- 日本市場は引き続き高いパフォーマンスを維持しており、海外投資家の関心が高い状況です。中国マネーの流入に対する期待から「押し目買い」への意欲も強そうです。
用語解説:初心者向け:
- 日経平均株価: 東京証券取引所に上場する日本の主要な銘柄の平均株価を示す指数。
- 膠着した展開: 市場が停滞し、大きな変動がない状態。
- 自動車など輸出関連銘柄: 自動車メーカーなど、海外販売が多い企業の株。
- ウォーレン・バフェット氏: 米国の著名な投資家で、バークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)。
- 上場投資信託(ETF): 一定の指数や資産をトラッキングするために設計された投資商品。市場で買ったり売ったりすることができる。
- マイナス金利政策: 中央銀行が金利をゼロ以下に引き下げる政策。経済刺激やデフレ防止のために採用されることがある。
- アク抜け: 悪材料が市場に全て反映され、これ以上の反応がない状態。
- 値がさハイテク株: 企業価値が実際の業績よりも高いとされるハイテクノロジー関連の株式。
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