10月16日 来週の株式相場見通し

2023年10月16日

来週の株式相場見通し

来週の東京株式市場は、以下の3つのポイントに注目しながら、9月15日の戻り高値33,634.31円奪回を意識した展開となることが期待される。

1. 中東の地政学リスク

イスラエルとパレスチナの武力衝突による中東の地政学リスクは、引き続き相場の不安定材料として横たわっている。地上戦への移行で戦線の拡大が懸念されており、来週の東京市場は波乱のスタートとなりそうだ。

2. 米経済指標とFRBの動向

17日に発表される米9月小売売上高は、米国経済の消費動向を示す重要な指標である。予想より強い数値が表れる可能性もあるが、8月の伸びを下回る範囲ならば、大きな下振れリスクは回避され、日経平均の戻りに寄与することが期待される。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官によるハト派的な発言も散見されるようになってきた。中東の地政学リスクが米国の金融政策に影響して、利上げに対するブレーキとしてはたらくことも意識されており、相場は強弱感が対立することにもなるだろう。

3. 決算発表

日本では23日にニデック<6594>から決算発表が本格化するが、これを前に米国では金融株を中心に決算発表が活発化する。ゴールドマン・サックスやテスラなどの決算動向が、東京市場の物色動向にも影響を与える可能性がある。

用語解説

半値戻し: 上昇トレンドの途中で発生する、上昇前の価格の半分まで下落した水準まで戻ること。
中東の地政学リスク: イスラエルとパレスチナの武力衝突や、イラン核合意の再建交渉の停滞など、中東地域をめぐる政治・軍事的な不安定要素。
米9月小売売上高: 米国の消費者が9月に購入した商品やサービスの総額。景気動向を判断する指標の一つ。
決算発表: 企業が過去1年間の業績を公表すること。業績が予想を上回った銘柄は株価が上昇する傾向がある。
東証市場変更: 東証が実施する市場区分の変更。プライム市場は東証の上位市場であり、スタンダード市場はプライム市場に次ぐ市場。

スケジュール

17日:米9月小売売上高、ゴールドマン・サックス、ジョンソン・エンド・ジョンソン決算発表
18日:中国7-9月期GDP、テスラ、ネットフリックス、プロクター・アンド・ギャンブル、トラベラーズ決算発表
19日:ディスコ<6146>、TSMC(台湾積体電路製造)決算発表
20日:臨時国会召集、アメリカン・エキスプレス決算発表、東証市場変更

今後の見通し

来週の東京市場は、中東の地政学リスクの行方が相場の方向感を左右することになりそうだ。地政学リスクが落ち着きを見せれば、日経平均は9月15日の戻り高値奪回に向けた動きが強まるだろう。一方、地政学リスクが悪化した場合は、下値リスクが高まると警戒が必要だ。

また、決算発表を控えた銘柄には、業績動向次第で大きく株価が変動する可能性がある。決算発表をきっかけとした材料株の動向にも注目したい。

投資の際は、最新の情報を入手し、慎重に判断することが重要である。

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