2024年11月8日
日経平均株価の週次分析と来週の展望
【考察】
今週(11月5〜8日)の日経平均株価は3万9500.37円で取引を終え、先週末に比べ1446.70円(3.80%)の上昇となりました。前週末に米国市場で、アマゾン・ドット・コムやインテルの好調な決算が評価され、ハイテク株を中心に株価が上昇した流れを受け、5日には日本市場も買い優勢でスタートしました。先週の大幅下落後の反発もあり、日経平均株価は回復の動きを見せました。
6日は、米国大統領選の開票を見守る中で取引が進行しました。予測ではトランプ氏とハリス氏が接戦で、結果判明に時間がかかると見られていましたが、トランプ氏の優勢が早くから示され、彼の掲げる減税や規制緩和が意識された「トランプ・トレード」が進行。米国の長期金利が上昇し、円安が進んだことにより、日経平均は1000円超の上昇となりました。
【その他の考慮点】
7日は米市場が大幅高となった影響もあり、日本市場も買いが先行しましたが、トランプ政権が関税強化を示唆していることへの警戒感から、ハイテク株の一部が売られ、日経平均は反落しました。週末8日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)が無事に通過したことが安心感を生み、日経平均株価は上昇しましたが、決算発表ピークを前に様子見ムードが広がり、全体的に動きは限定的でした。
【全体的な見通し】
来週(11月11〜15日)の日経平均株価は堅調に推移することが期待されます。決算発表がピークを迎え、約1400社が業績を公表する予定です。大きなイベントであった米大統領選とFOMCを通過したことから押し目買いが活発化しそうですが、決算内容を慎重に見極めたいとする慎重な姿勢もあるでしょう。一般的に米国の新政権が発足してからの100日間は「ハネムーン期間」と呼ばれ、政治的な批判が少なくネガティブな材料が出にくいため、株式市場も上値が堅調になりやすい傾向があります。
日経平均は11月7日と8日に4万円の大台を目指しましたが、8日にはオプションSQ(特別清算指数)値が3万9901.35円となり、日経平均がこの値を超えられなかったことから、上値が重い展開となりました。来週以降、このSQ値を超える動きが見られると、4万円の大台を回復する期待が高まり、決算ピークを通過することでリバウンドへの期待も強まるでしょう。また、「トランプ・トレード」が落ち着く中、米国の中国に対する関税問題や中国の報復措置への警戒も残りますが、投資家心理は徐々に改善傾向にあると考えられます。
【用語解説:初心者向け】
- 日経平均株価:日本経済新聞社が算出する、日本の株式市場を代表する株価指数。日本の主要企業225社の株価から計算される。
- アマゾン・ドット・コム(AMZN)、インテル(INTC):米国を代表するIT・ハイテク企業。株式市場で注目度が高い。
- トランプ・トレード:トランプ氏が掲げた減税や規制緩和などを背景に、関連銘柄やドル買いなどが進む取引のこと。
- FOMC(連邦公開市場委員会):米国の金融政策を決定する会合で、政策金利や経済見通しに大きな影響を与える。
- オプションSQ(特別清算指数):オプション取引の決済に使用される値で、月に一度計算される。