2024年9月5日
【考察】
米国の経済専門家たちは、米連邦準備制度理事会（FRB）が次回9月の会合で、現在5.25％から5.50％に設定されている政策金利の目標を0.25％ずつ引き下げることを皮切りに、段階的な利下げが続くと予測しています。また、2026年春頃までに、米国の政策金利が合計9回引き下げられ、最終的に3.00％から3.25％に達する見込みとされています。
【その他の考慮点】
しかし、8月に開催されたジャクソンホール会議でのジェローム・パウエルFRB議長の講演を受け、市場はすでに米国の利下げサイクルが始まり、政策金利が3％近辺まで引き下げられる可能性を十分に織り込んでいるようです。仮に政策金利が今後2％以上低下する場合、ドル安・円高が進行するのが一般的な見方です。しかし、為替市場は将来の金利動向をあらかじめ見越して動くことが多く、予想外の利下げには敏感に反応しますが、予想通りの利下げにはそれほど大きな反応を示さないことがよくあります。
【全体的な見通し】
今後、FRBが市場の予想通りに利下げを進めた場合、ドルと円の相場に与える追加的な影響は限定的である可能性があります。また、近く発表される米国の大統領選挙の結果にかかわらず、ドルが1ドル=130円台後半に達したところで、ドル安・円高の進行が一旦止まるとの見方を持っています。
【用語解説：初心者向け】
– 米連邦準備制度理事会（FRB）：米国の中央銀行で、金融政策を管理しています。
– 政策金利：中央銀行が決定する金利で、経済全体の金利水準に大きな影響を与えます。
– ジャクソンホール会議：毎年8月に開催される国際的な経済シンポジウムで、世界中の金融関係者が注目する場です。
