2024年6月7日
米国株式市場の現状について
【考察】
米国株式市場は昨日、まちまちの動きを見せました。ダウ平均は78.84ドル上昇し38,886.17ドルで取引を終了しましたが、ナスダックは14.78ポイント下落し17,173.12ポイントで取引を終えました。
週次新規失業保険申請件数が予想を上回ったことから、利下げへの期待が高まり、寄り付き後の買いが続きました。しかし、7日に発表予定の雇用統計を前に、利益確定売りが見られ、ダウは堅調に推移したものの、ナスダックはエヌビディアの株価が伸び悩んだ影響で軟調に終始しました。セクター別では、自動車・自動車部品や小売りが上昇する一方、資本財が下落しました。
【その他の考慮点】
食品会社のJMスマッカー(SJM)は、コスト削減やホステス・ブランズの購入が功を奏し、四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回り、株価が上昇しました。ディスカウント小売のウォルマート(WMT)はアナリストによる目標株価の引き上げを受け、小幅に上昇しました。
ゲーム販売会社のゲームストップ(GME)は、大量のオプションを保有するミーム株ブームの仕掛け人とされるキース・ギル氏が、7日にソーシャルメディアのレディットでライブ配信を計画していることを報告したため、短期投機家による買いが入り大幅に上昇しました。個人投資家を多く抱えるオンライン証券のロビンフッド(HOOD)も上昇しました。
半導体大手のエヌビディア(NVDA)は、CEOの自社株売却計画や、司法省および公正取引委員会(FTC)による人工知能(AI)に関する反トラスト法違反の調査報道が嫌気され、株価が下落しました。
電子署名ソリューション会社のドキュサイン(DOCU)は、取引終了後に四半期決算を発表し、1株利益が予想を上回ったほか自社株買い計画も発表しましたが、見通しが嫌気され、時間外取引では売り買いが交錯しました。
【全体的な見通し】
7日の東京株式市場は、反落後、もみ合いの展開が予想されます。6日の取引終了にかけて日経平均株価が上値の重い展開だったことから、売り優勢のスタートが予想されます。
【用語解説:初心者向け】
- ダウ平均:アメリカの主要な30社の株価を基にした株価指数。市場全体の動向を把握するための指標。
- ナスダック:アメリカの新興企業やハイテク企業が多く上場する株式市場。また、その市場の株価指数。
- 週次新規失業保険申請件数:アメリカで毎週発表される、新規に失業保険を申請した人の数。経済の健康状態を示す重要な指標。
- 雇用統計:アメリカの労働市場に関する統計データで、毎月発表される。失業率や非農業部門の雇用者数などが含まれる。
- セクター:株式市場における産業分類のこと。例えば、技術、医療、金融など。
- 四半期決算:企業が3ヶ月ごとに発表する業績報告。売上や利益などのデータが含まれる。
- 自社株買い計画:企業が市場から自社の株式を買い戻す計画。株価の上昇を期待する材料となることが多い。
- 反トラスト法:市場の独占や不公正な取引を防ぐための法律。企業の競争を促進するために制定されている。