2024年9月9日

【考察】
前週末の9月6日におけるアメリカの株式市場では、ニューヨーク・ダウ平均株価が前日比で410.34ドル下がり、43,345.41ドルで取引を終了しました。また、ナスダック総合指数も436.829ポイント減少し、16,690.832ポイントで終了しました。これらの株価下落の背景には、アメリカの8月の雇用統計の結果があります。この統計によれば、非農業部門の雇用者数が前月比で142,000人増加しましたが、市場予想の165,000人増を下回りました。この結果から、雇用状況の減速が懸念され、株式市場全体に影響を与えました。特に、FRB（米連邦準備制度理事会）のウォラー理事が「今月の利下げ後もさらに利下げが必要になる可能性がある」との発言を行い、経済の先行きに対する不安が強まったことで株価が下落しました。ハイテク株の比率が高いナスダック市場では、テスラやアーム・ホールディングス、ペイパルなどが下落しました。

【その他の考慮点】
9月9日の東京株式市場でも、弱い動きが続く可能性があります。これは、前週末のアメリカ株式市場の下落を受け、売りが先行する形で始まることが予想されるためです。取引が進むにつれて、短期的なリバウンドを狙った買いや、押し目を拾う動きが見られるかもしれませんが、全体的には軟調な展開が続くと予想されます。また、為替市場では、ドルと円のレートが1ドル＝142円台前半で推移する一方、ユーロと円のレートは1ユーロ＝157円台後半となり、前週末の158円台から円高方向に動いています。

【全体的な見通し】
アメリカの雇用統計が市場予想を下回ったことで、景気の減速懸念が高まり、株式市場に対する不安感が強まっています。FRBの利下げ方針に対する注目も高く、今後の金利動向が市場に大きな影響を与えることが予想されます。短期的なリバウンドはあるものの、全体的には慎重な姿勢が求められる局面です。

【用語解説：初心者向け】

• ニューヨーク・ダウ平均株価: アメリカの代表的な株価指数の一つで、大企業30社の株価を平均して算出されます。
• ナスダック総合指数: 主にハイテク企業が多く上場しているナスダック市場の株価指数です。
• 非農業部門の雇用者数: 農業を除く、すべての産業における雇用者数の増減を示す指標で、アメリカの経済状況を把握するのに重要なデータです。
• FRB（米連邦準備制度理事会）: アメリカの中央銀行で、金利の設定や通貨供給の管理などを行う機関です。