米国株式市場は、ナスダック総合指数を中心に主要3株価指数が続落して取引を終えた。予想を上回る米サービス部門の経済指標を受け、依然として根強いインフレが利上げ長期化につながるとの懸念が強まった。
主な要因
- 米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合指数が、前月から上昇し2月以来の高水準を記録。堅調な経済成長とインフレの持続を示す
- 市場参加者は早期の利下げを望んでいるが、データはインフレが利下げ開始につながるほどのペースで緩和していないことを示唆
- 金利先高観からグロース(成長)株が特に圧迫され、S&Pグロース指数はアンダーパフォーム
- 米国債利回り上昇も株式市場の重し
個別銘柄
- アップル(AAPL.O)が3.6%下落。金利を巡る懸念に加え、中国が中央政府機関職員の公務での海外ブランド端末の使用を禁じたという報道も圧迫材料に
- 防衛大手ロッキード・マーチン(LMT.N)が4.8%安。戦闘機「F35」の納入見通しを引き下げた
- 動画配信機器のロク(ROKU.O)が2.9%上昇。従業員の約10%削減と新規採用の制限を発表
その他
- ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.05対1の比率で上回った
- ナスダックでも1.97対1で値下がり銘柄が多かった
解説
- 米サービス部門の経済指標は、景気の強さとインフレの持続を示す重要な指標です。今回の指標は予想を上回り、市場参加者の利下げ期待を後退させました。
- 利上げ長期化の懸念は、金利先高観を強め、成長株を中心に株式市場に下押し圧力をかけました。
- 個別銘柄では、アップルが中国の端末使用禁報道で下落。ロッキード・マーチンはF35の納入見通し引き下げで下落。ロクは従業員削減と新規採用制限で上昇しました。
**テクニカル分析**
1時間足チャート:4時間足の値幅抵抗帯を完璧に割り込んできたなら、下落の目標は、(A)の日足の値幅抵抗帯となります。