FRBの12月利下げ見通しは後退

ドル円相場は約4か月ぶりの円安水準となる1ドル=156円台に到達しました。背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が14日の講演で、利下げに慎重な姿勢を示したことがあります。この発言により、米金利の低下期待が弱まり、ドルの強さが強調される結果となりました。

ニューヨーク市場では、ドル円相場が14日に終値で156.25円を記録し、7月22日以来の水準に戻りました。翌15日には東京市場で一時156.74円に達する場面もあり、円安傾向が続いています。FRBの金融政策が焦点となる中、27日に発表予定の個人消費支出(PCE)物価指数が注目されています。パウエル議長は、このデータをもとに米国経済の強さを再確認し、物価上昇の抑制に取り組む姿勢を示しています。

為替市場では、大統領選挙後の政策期待からドルが主要通貨に対して高値を維持しています。ユーロ、ポンド、豪ドルを含む主要通貨が対ドルで下落しており、円もこの流れに沿っています。こうした動きは、米国の物価上昇が予想以上に粘り強く、投機的な動きというよりも経済的な要因に基づいていると考えられます。

一方、日本銀行の対応もドル円相場に影響を与える要因として注目されています。日本政府による為替介入が難しいとの見方が広がる中、12月の金融政策決定会合で発表される追加利上げの有無が市場の関心を集めています。米国と日本の金利差が円安を後押ししている状況が続くため、今後の日銀の動向が一層重要となりそうです。

・米・10月小売売上高:前月比+0.4%(予想:+0.3%、9月:+0.4%)

タイトルとURLをコピーしました