米国株式市場は反発、消費行動への期待と利上げ終了観測で
米国株式市場は、感謝祭前後から始まる年末商戦での消費行動への期待感や、利上げ終了への見通しが高まったことで、反発しました。ダウ平均は184.74ドル高の35,273.03ドル、ナスダックは65.88ポイント高の14,265.86で取引を終了しました。
私の考察は以下の通りです。
- 景気指標が好調に推移
- 22日に発表された一連の米指標は、景気が減速しつつも、リセッション(景気後退)を回避できる可能性があることを示しました。雇用関連指標や消費者信頼感指数が予想を上回り、底堅い景気への期待が一段と強まりました。
- 利上げ終了観測の後退で金利上昇
- 米連邦準備理事会(FRB)による利上げ終了への期待が高まり、長期金利が上昇しました。これは、インフレ圧力が高まっていることや、FRBが金融引き締めを早める可能性があることを反映しています。
- ハイテク株の上昇は限定的
- 金利上昇は、ハイテク株にとってはマイナス要因となります。ハイテク株は、将来の収益が大きいと期待される分、金利の影響を受けやすいからです。半導体のエヌビディア(NVDA)は、四半期決算で売上の伸びが市場の期待に満たなかったことで下落しました。
- 投資家の恐怖心理が低下
- 投資家の恐怖心理を示すVIX指数は12.82まで下落し、9月中旬以来の低水準に達しました。これは、市場のリスク回避姿勢が弱まっていることを意味します。
その他の考慮点としては、以下のようなものがあります。
- 感染症の影響
- 新型コロナウイルスの感染拡大や変異株の出現は、市場の不安要因となっています。感染症の状況によっては、経済活動の制限や消費者の自粛意識が高まる可能性があります。
- 貿易摩擦の懸念
- 米中間の貿易摩擦や、米欧間の関税問題などは、世界経済の成長を阻害する要因となっています。貿易戦争の激化や、保護主義の高まりは、市場の不安を煽る可能性があります。
全体的な見通しとしては、以下のように考えます。
- 米国株式市場は、消費行動への期待や利上げ終了観測などのポジティブな要因が支えとなり、堅調に推移する可能性が高いと思います。
- ただし、感染症や貿易摩擦などのネガティブな要因も無視できません。市場の動向には注意が必要です。
- ハイテク株は、金利上昇の影響を受けやすいため、上昇は限定的になる可能性があります。一方、金利上昇に強いとされる金融株や、消費行動に関連する小売株などが注目されるかもしれません。
場中解説は、以下のYouTubeチャンネルで配信しています。
日経225先物トレード俱楽部
チャート転換点リアルタイム メール通知システムサービス Twitter:
用語解説【初心者向け】
- ダウ平均
- 米国株式市場の代表的な指数の一つで、30種類の優良銘柄の株価の平均値です。
- ナスダック
- 米国株式市場の代表的な指数の一つで、主にハイテク株やバイオ株などが上場するナスダック証券取引所の株価の平均値です。
- 利上げ
- FRBが行う金融政策の一つで、金利を上げることです。金利を上げると、借り入れや投資が抑制され、経済の過熱やインフレを抑える効果があります。
- 金利
- 資金の貸し借りにかかる料金のことです。金利が高いと、借り入れや投資が減り、金利が低いと、借り入れや投資が増えます。
- 半導体
- 電気の通りやすさが金属と絶縁体の中間の物質のことです。コンピューターやスマートフォンなどの電子機器に欠かせない部品です。
- VIX指数
- 投資家の恐怖心理を示す指数の一つで、株価の変動の大きさを表します。VIX指数が高いと、市場の不安が高まっていることを意味します。VIX指数が低いと、市場の安心感が高まっていることを意味します。