2024年11月28日
【考察】
昨日27日の米国株式市場では、主要指数が軒並み下落しました。ニューヨーク・ダウ平均は6日ぶりに反落し、前日比138.25ドル安の44,722.06ドルで終了しました。また、ナスダック総合指数も5日ぶりに下落し、115.10ポイント安の19,060.48ポイントで取引を終えています。この背景には以下の要因が挙げられます。
- 米国の経済指標はおおむね堅調でした。新規失業保険申請件数は予想を下回り、改定された7～9月期のGDP（国内総生産）は市場予想と一致して2.8％増加しました。
- しかし、感謝祭を控えたポジション調整の売りが優勢となり、株価を押し下げる結果となりました。
27日、為替市場ではドル円が1ドル＝151円台前半に下落し、輸出関連株への圧力が増しました。一方、日経平均株価は米国市場の影響を受けて軟調な動きが見込まれています。日経平均の予想レンジは37,700円から38,100円。
【その他の考慮点】
- 米フィラデルフィア半導体指数（SOX）は1.5％安となり、国内の半導体関連株に売り圧力がかかる可能性があります。
- ドル円の下落が輸出関連銘柄に影響を与え、投資家心理を冷やす要因になるとみられます。
- 米国の個人消費支出（PCE）価格指数が前年比2.3％上昇し、インフレ抑制が停滞していることが懸念材料として挙げられます。これは、FRB（連邦準備制度理事会）が利下げに慎重な姿勢を取る可能性を示唆しています。
【全体的な見通し】
短期的には、日本市場は米国市場の動きや為替の変動を受けて売りが先行する展開となりそうです。ただし、直近の値動きの範囲内にあるため、割安感が下支えする局面も予想されます。今後、米国経済指標の発表や金利動向が投資家心理に与える影響を引き続き注視する必要があります。
【用語解説：初心者向け】
- NYダウ: アメリカの主要な株価指数の一つで、大企業30社の株価を基に算出されます。
- ナスダック総合指数: アメリカの株式市場ナスダックに上場する企業の株価動向を示す指数です。特にハイテク企業が多く含まれます。
- 米フィラデルフィア半導体指数（SOX）: 半導体業界の動向を示す指数で、テクノロジー関連株式の重要な指標とされています。
- PCE価格指数: 個人消費に関連する物価の変動を示す指標で、インフレ動向を把握するために使われます。
- FRB（連邦準備制度理事会）: アメリカの中央銀行で、金融政策を担う機関です。
- ポジション調整: 投資家が取引のリスクを減らすために、保有している株式などを売買してバランスを取ることを指します。
- 為替相場: 異なる国の通貨間での交換レートを指します。
