2024年10月30日
【考察】
29日の米国株式市場では、ニューヨークダウ平均が前日より154.52ドル下落し、42,233.05ドルで引けました。これに対し、ナスダック総合指数は145.559ポイント上昇し、18,712.748ポイントで終了し、4日連続の上昇となりました。取引量の概算は、ニューヨーク市場で9億231万株、ナスダック市場で63億2395万株でした。米国の9月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門での求人件数が744.3万件と、市場予測の800万件を下回り、景気に対する慎重な見方が広がっています。特に、消費関連や景気の影響を受けやすい株が軟調に推移し、ダウの下落要因となりました。一方、ナスダック総合指数は、7月10日に記録した終値ベースの最高値(18,647.448)を約3か月半ぶりに更新し、アーム・ホールディングス、アドバンスド・マイクロ・デバイシズ、テキサス・インスツルメンツなどが買われました。
【その他の考慮点】
本日30日の東京株式市場は堅調な展開が予想されます。29日の米国株式市場では、ニューヨークダウが下落したものの、ナスダック総合指数が終値ベースで史上最高値を更新しており、半導体関連株の指標であるフィラデルフィア半導体株指数も上昇しました。この影響を受け、東京市場でも買いが先行するスタートが見込まれます。また、日本企業の決算発表が本格化する中、好業績が見込まれる銘柄に対する個別の投資も強まる可能性があります。為替市場では、ドル円が1ドル=153円台前半で推移しており(29日時点では153円16-18銭)、これも日本株にとって支援材料となりそうです。
【全体的な見通し】
米国市場の動向に左右されつつも、東京株式市場は比較的安定した展開が期待されます。特に半導体関連や好決算を発表した企業への投資が盛り上がり、堅調な動きを見せるでしょう。一方で、米国の経済指標や為替の変動など、外部要因によってはリスクが高まる可能性もあるため、慎重な投資判断が求められます。
【用語解説:初心者向け】
- ニューヨークダウ(NYダウ)
アメリカの主要な株価指数の一つで、ニューヨーク証券取引所に上場する30の大企業の株価から算出されます。米国経済の指標として広く用いられています。 - ナスダック総合指数
ハイテク企業が多く上場するナスダック市場全体の株価を反映した指数で、特にIT関連の動向を示すものとして注目されています。 - 雇用動態調査(JOLTS)
米国労働省が毎月発表する調査で、求人件数や採用率などが含まれており、雇用市場の状況を示す指標です。 - フィラデルフィア半導体株指数
米国のフィラデルフィア証券取引所が発表する、半導体関連の企業株の価格動向を示す指数で、半導体業界の動きを把握するために活用されます。 - 為替相場
通貨と通貨の交換比率のことで、米ドルと日本円の関係は日本株にも大きな影響を与えます。