米GDP、4-6月改定値は2.1%増に下方修正-個人消費は堅調
- 米商務省が2023年8月30日に発表した4-6月期の実質国内総生産(GDP)改定値は、前期比年率2.1%増と、速報値の2.4%増から下方修正された。
- 個人消費は前期比4.7%増と、速報値の4.4%増を上回り、2014年以来最大の伸びとなった。
- 設備投資は前期比6.3%増から4.7%増に下方修正された。
- 国内総所得(GDI)は前期比0.5%増と、過去2四半期の減少を経てプラス成長に転じた。
- 労働市場の持続的な強さと堅調な消費に支えられ、米経済は前進を続けている。
- 7-9月期も個人消費を推進力に成長が加速すると広く見込まれている。
- こうした力強い傾向を受け、多くのエコノミストはリセッション(景気後退)予想を後退させるか、あるいは完全に撤回している。
- 一方で経済活動が持続的に加速すれば、インフレ率の低下を確実にすべく、米金融当局が景気により強いブレーキをかけざるを得なくなる可能性もある。
- 4-6月の企業利益(調整後、税引き前)は前期比0.4%減少。金融機関の利益減少を反映する格好となった。
- 米金融当局が注目するインフレ指標は速報値から下方修正。食品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数は前期比年率3.7%上昇と、過去2年余りで最も低い伸びにとどまった。
解説
- GDP:国内総生産。一国における1年間の経済活動の規模を示す指標。
- GDI:国内総所得。GDPに利子収入や配当収入などを加えた指標。
- リセッション:景気後退。2四半期連続のGDPのマイナス成長を伴う。
- PCEコア価格指数:食品とエネルギーを除いた個人消費支出の価格変動を示す指標。
まとめ
4-6月期の米GDPは、個人消費の堅調な伸びを背景に、前期比2.1%増と、速報値から下方修正された。しかし、GDPとGDIの平均値は1.3%増と、ほぼ1年ぶりの高い伸びとなった。労働市場の強さと堅調な消費に支えられ、米経済は前進を続けている。