考察:今週は米国株が好調でしたが、日経平均はそれに追随できませんでした。米国ではインフレが鈍化し、景気が着地する兆しが見られました。FRBのパウエル議長も利下げの議論は早すぎるとしながら、金融政策の正常化に向けた準備が進んでいるとの見方を示しました。これにより、米国株は年初来高値を更新しました。しかし、日経平均は上値が重く、先物も弱さが目立ちました。海外投資家の売り越しが続き、日本株に対する関心が低下していることが要因の一つです。また、円高が進んでいることも日経平均にとってはマイナスです。
その他の考慮点:来週はメジャーSQがあります。これは株価指数先物やオプションの最終決済日で、相場の方向性が決まりやすい日です。配当再投資の影響で日経平均が底堅くなれば、ヘッジの買いが入って上昇する可能性があります。一方、米国の雇用統計も注目されます。雇用が改善すれば、FRBの利上げが早まるとの懸念が強まり、円高に拍車がかかるかもしれません。
全体的な見通し:日経平均は33500円が分岐点となりそうです。このラインを上回れば、34000円台に乗せるチャンスがあります。しかし、下回れば、調整が続く恐れがあります。メジャーSQや米国の経済指標に注目しながら、方向感を探っていきましょう。
用語解説:初心者向け
- PCE物価指数:個人消費支出にかかる物価の変動を測る指標で、FRBがインフレの目安として重視している。
- シカゴ景況指数(PMI):シカゴ地区の製造業の景況を示す指標で、50ポイント以上なら景気拡大、50ポイント以下なら景気縮小を意味する。
- FRB:米国の中央銀行で、金融政策を決定する機関。
- ハト派:金融政策において、低金利や量的緩和などの金融緩和を支持する立場のこと。
- ナイトセッション:東京証券取引所が夜間に行う先物やオプションの取引のこと。
- 需給面:株式市場において、株式の需要と供給のバランスのこと。
- メジャーSQ:四半期に一度、株価指数先物やオプションの最終決済日のことで、特別清算指数(SQ)が算出される。
- 配当再投資:株式の配当金を再び株式に投資すること。
- ヘッジ:株式や先物などの投資において、リスクを回避するために別の商品を買ったり売ったりすること。
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